「労働組合が運営している」のを売りにしている退職代行が増えてきています。強みにしているからには何かしらメリットがあるんだろう、と思いつつ、具体的な良さがわからない方は多いのではないでしょうか。
労働組合の退職代行のメリットは、普通の退職代行ではできない範囲までフォローできること。弁護士が運営しているサービスより安いので、コスパが良い退職代行を探している方におすすめです。
この記事では、
- 労働組合の退職代行を使うメリット
- デメリット
- おすすめの会社
- いい依頼先を選ぶポイント
をまとめて解説しています。
これから退職代行を使おうか悩んでいる方は必見です!
労働組合(ユニオン)運営の退職代行とは?

労働組合が運営している退職代行サービスの概要を解説します。
1. 労働組合運営の退職代行業者は増えている
近年、労働組合(ユニオン)が運営している退職代行は増加傾向にあります。
労働組合は「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」を指します。会社に労働組合があるという方も多いのではないでしょうか?
簡単に言えば、労働組合は会社と交渉できる組織のこと。会社に不満や改善してほしい点があっても、1人で話をしたら聞いてもらえないケースも多いですよね。人数を集めてお願い事をしたほうが、聞いてもらえる可能性が上がります。
労働組合は、組織として会社に交渉をすることができます。会社側と対等に話ができるので、労働者の強い味方、というわけです。
ちなみに、労働組合は企業の枠を超えて結成することもできます。これが、ユニオンです。
退職代行がユニオンを作ることで、やめたいと思っている会社にも話を聞いてもらいやすくなります。自分で退職しようと言いだしたけど、有耶無耶にされてしまったという方には、強い味方ですよね。
2. 非弁行為による違法には当たらない
労働組合の退職代行サービスは「非弁行為」だと思われている方は一定数いますが、法的に認められているのでご安心ください。非弁行為とは、弁護士以外の人が弁護士の業務を担当することを指します。
実際に企業との交渉は、弁護士法上では弁護士しか対応できないことになっています。 しかし労働組合は、労働者の代わりに会社との交渉が法的に認められている団体のため、企業と交渉したとしても非弁行為には当たりません。
労働組合運営の退職代行サービスの利用者は、安心して企業と未払い賃金や有給消化の交渉が可能です。 ただし万が一訴訟になった場合は、労働組合でも対処できないため、その旨は理解しておきましょう。
労働組合以外の退職代行の運営元の種類

退職代行サービスの運営は、労働組合以外にも以下の2つがあります。
- 民間企業
- 弁護士
それぞれ特徴があるため、理解した上で選ぶ必要があります。一つずつ見ていきましょう。
1. 民間企業
民間企業が運営する退職代行サービスは、労働組合より料金が安く設定されている傾向にあります。ただし法的に企業との交渉が認められていないため、有給消化や未払い賃金については「お願い」の範囲でのみの対応となります。
つまり企業側が有給消化や未払い賃金に対して「NO!」を突き付けた場合は、民間企業のサービスでは手の打ちようがありません。民間企業は安い金額で利用しやすい分、対応できる範囲が他の運営元に比べると狭いことが特徴です。
2. 弁護士
弁護士事務所が運営する退職代行サービスもあります。弁護士による退職代行サービスのメリットは、裁判への対応も可能であることです。労働組合でも裁判への対応はできないため、万が一に訴えられた場合、弁護士運営の退職代行サービスであれば安心して利用できます。
一方で他の運営元に比べると、利用料がやや高めな傾向があり、5万円以上するサービスもあります。退職時に訴訟されることに心当たりがある方は、弁護士運営の退職代行サービスの利用を検討してみてもいいでしょう。
労働組合の退職代行を使う5つのメリット

労働組合の退職代行を使うメリットは大きく分けて4つ。
- 退職日の調整を委託できる
- 有給消化の調整をしてもらえる
- 未払い給与の請求ができる
- 弁護士より安い
- トラブルが起こる可能性が低い
なかには、労働組合を作っていない退職代行ではできないことも含まれています。ぜひ、詳細を理解しましょう!
1. 退職日の調整を委託できる
労働組合ならば、退職日の調整を委託できます。「この日にやめたい」という希望が通らなかったときも、いつ辞めるか具体的な話し合いをお任せできるということです。
実は、民間の退職代行では、退職日の調整はできません。もしこちらの提案を断られた場合、そこで止まってしまいます。代わりに調整を行うと「非弁行為」となり、違法になります。
会社との話し合いを自分でするのは極力避けたい人にとって、労働組合は強い味方です。
なお、非弁行為については「【要チェック】退職代行は違法なの?非弁行為になる範囲と失敗しないエージェントの選び方」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

2. 有給消化の調整をしてもらえる
労働組合ならば、有給消化の調整もできます。もともと有給を使えるのは労働者の権利。退職代行を使ったとしても、遠慮する必要はありません。
ただし、民間の業者では、「有給を使いたい」という意思を伝えることしかできません。いつからいつまで使うのか、調整をまるごとおまかせできるのは、労働組合ならではです。
なお有給については「【利用前に確認】退職代行でも有給は使える!有給が残っていない場合はどうなる?」で更に詳しく解説しています。

3. 未払い給与の請求ができる
給与や残業代の支払いが滞っている人もいるのではないでしょうか?労働組合ならば、未払金の請求も可能です。
退職した場合、次の仕事が見つかるまでの生活費はとても大切なもの。きっちり支払ってもらえるのはメリットですね。
4. 弁護士より安い
ここまで紹介したメリットは、すべて弁護士が運営する退職代行でも対応できるものです。しかし、弁護士が対応すると費用が高額になりがちです。
依頼費の目安は5万円〜が相場。さらに、未払金の請求には、成果報酬が求められることがほとんどです。
その点、労働組合ならば、相場は2.5〜3万円。民間の退職代行と料金はほぼ変わりません。
コスパよく、サポートを依頼したい方には労働組合運営のサービスがおすすめです。
5.トラブルが起こる可能性が低い
労働組合の退職代行を使うメリットは、トラブルが起こる可能性が低いことです。主な要因として、会社への交渉権が認められていることが挙げられます。
例えば、企業によっては退職代行の使用を拒否されてしまう恐れがあります。民間の退職代行業者では、このような事態には太刀打ちできません。
一方、労働組合の退職代行なら、交渉権が認められているため、万が一退職を拒否された場合でも会社を辞められるように動いてくれます。
退職代行を使って安心して辞めたいのなら、労働組合が運営するの退職代行サービスがおすすめです。
労働組合の退職代行を使うデメリットは裁判に対応できないこと

万能そうに見える労働組合の退職代行ですが、唯一のデメリットが裁判沙汰になったときに対応できないことです。裁判まで対応できるのは、弁護士が運営している退職代行だけ。
実際のところ、裁判まで発展するケースはかなり稀です。企業側としても費用も時間もかかるので、手間を避けたいからです。
とはいえ、すでに「やめたら裁判を起こす」などと脅されている場合は、弁護士を通したほうが安心でしょう。
弁護士が対応している退職代行は「【完全版】退職代行を弁護士に依頼するメリット・デメリット!利用を決める判断基準も解説」で紹介しています。利用するかどうかの基準もまとめているので、悩んでいる方はご覧ください。

労働組合の退職代行おすすめ5選

労働組合が運営する退職代行も増えてきて、どこがいいのか悩む方も多いでしょう。おすすめできるのは以下の5つ。
- 退職代行SARABA
- 退職代行Jobs
- 男の退職代行
- わたしNEXT
- 退職代行ニチロー
それぞれ特徴を紹介します。
1. 退職代行SARABA

料金 | 24,000円 |
対応時間 | 24時間 |
返金保証 | あり |
連絡方法 | 電話・メール・LINE |
支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード |
いきなり弊社の紹介で恐縮ですが、退職代行SARABAはみなさまにおすすめできるサービスと自負しております。
料金24,000円は業界最安レベル。これ以上追加料金はかからず、退職できない場合は100%の返金保証つき。また、24時間対応で連絡を頂いたその日に退職することも可能です。
料金をおさえつつ、サービスの質と速さを求めたい方には退職代行SARABAがぴったりです。
2. 退職代行Jobs

料金 | 27,000円 (別途組合費2,000円) |
対応時間 | 24時間 |
返金保証 | あり |
連絡方法 | 電話・LINE |
支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード |
退職代行Jobsのメリットは、後払いに対応していること。未払金があり、手元にお金がない人も利用できます。さらに、転職活動のフォローや引っ越しサポートなど、アフターサービスの多さが特徴です。
会社をやめたあともしっかりフォローしてほしい方にはJobsがあっているでしょう。
▼退職代行Jobsの評判や口コミが気になる方はこちら▼
>>転職代行Jobsの口コミ・評判は? 利用するメリット・デメリットや他社との違いを解説
3. 男の退職代行

料金 | アルバイト・パート:19,800円 正社員・契約社員など:29,800円 |
対応時間 | 24時間 |
返金保証 | あり |
連絡方法 | メール・LINE |
支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード・PayPal・キャリア決済など |
男の退職代行は名前の通り、男性専門のサービス。アルバイト・パートの場合は19,800円と他社より安い料金設定になっています。
転職サポートがついており、条件を満たせば転職お祝い金が最大5万円もらえるのが魅力的。退職代行の料金以上にお金がもらえる可能性もあります。お金に関する不安がある人にはぴったりですね。
アフターサポートを重視しており、特に転職に関する不安が原因でやめられない男性は、男の退職代行がおすすめです。
▼男の退職代行の評判や口コミを知りたい方はこちら▼
>>【徹底評価】男の退職代行の口コミや評判は?メリット・デメリットや他者との違いを解説
4. わたしNEXT

料金 | アルバイト・パート:19,800円 正社員・契約社員など:29,800円 |
対応時間 | 24時間 |
返金保証 | あり |
連絡方法 | メール・LINE |
支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード・PayPal・キャリア決済など |
男性向けの「男の退職代行」と対になる、女性向けの退職代行がわたしNEXT。こちらもアルバイト・パートは19,800円と価格が安いのが特徴です。お客様満足度調査では、大変満足が98.7%選ばれており、利用者に喜ばれていることがわかります。
男の退職代行同様に、転職サポートとお祝い金最大5万円もついているのがメリット。提携している転職エージェントに興味がある方は、利用してみても良いでしょう。
5. 退職代行ニチロー

料金 | 25,000円 |
対応時間 | 24時間対応 |
運営元 | 労働組合 |
返金保証 | なし |
連絡方法 | 電話・LINE・メール |
支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード |
退職代行ニチローは比較的新しいサービスです。弁護士・社労士・税理士とそれぞれ提携しているので、法律面も安心です。
料金も一律25,000円と良心的になっています。
労働組合の退職代行を選ぶときの5つのチェックポイント

労働組合が運営する退職代行は強い味方。しかし、「労働組合運営」と言いつつ、実態は労働組合がなかったという詐欺のようなケースもあります。
- 運営元の企業情報
- 特定商取引法の記載
- 口コミ
- 価格
- 問い合わせの対応
上記5つをチェックしておくと、思わぬトラブルを避けられます。退職代行サービスを選ぶ際の参考にしてください。
1. 運営元の企業情報
まず確認したいのは、運営元の情報。公式サイトに企業情報が明記されていない業者は避けましょう。
1日あれば簡素なホームページは作れてしまうもの。それらしいWebサイトを使って集客し、申込みをしたら連絡が取れなくなるケースもあります。
住所・連絡先がしっかり明記されているか確認してください。書かれていなかったり、記載されている住所が存在しなかったりする場合は、詐欺の可能性もあるため依頼しないことをおすすめします。
また、記載されている労働組合が実在しているか、一度ネットで検索をかけてみるのも自分を守る手になります。
2. 特定商取引法の記載
さらに確認したいのが「特定商取引法」に関する記載。これが明記されていない場合は法律違反になります。
そもそも、特定商取引法は、消費者を守るための法律です。悪質な企業により被害を受けないために、公式サイトに書くべき内容などが定められています。
- 返金に関する保証
- サービスの価格
などは、必ず記載しなければいけません。
大抵の場合、公式サイトの下部に「特定商取引法に基づく表記」という項目があるので、そこを見てみましょう。見つからない場合は、その業者を避けることを強くおすすめします。
3. 口コミ
申し込み前にSNSなどで口コミを確認するのもおすすめ。そもそも口コミが多ければ、過去にたくさんの実績があることの裏付けになります。今まで数多くの退職代行を成功させているならば、信頼性も高いですよね。
また、エージェントにより口コミの内容は様々です。
うまく退職できた、親身に対応してもらえたという声が多いエージェントなら信頼しておまかせできます。サービスが増えてきているからこそ、利用者の声が集まっているところを選ぶのが良いでしょう。
4. 価格
これから退職するなら、価格はしっかり確認したいところ。
労働組合が運営する退職代行の相場は2.5〜3万円。かけ離れているところは避けましょう。また、オプション料金がないか事前に確認するのも忘れてはいけません。企業によっては、深夜の対応や即日退職する場合に追加料金がかかることもあります。
安いと思って利用してみたら、オプションがかさんで割高になるのでは困ります。特に初めての利用であれば、オプション料金がなく、記載された料金を支払えばお任せできる方が安心です。
5. 問い合わせの対応
問い合わせの返信の速さもしっかり確認しておくポイント。
本依頼の前に、無料相談を利用して連絡の速さや丁寧さを確認しましょう。すぐ依頼して会社から離れたい気持ちはわかりますが、事前にやり取りをしてみることも大切。
- そもそも退職できるのか
- 退職までの流れはどんな感じか
など、気になることは事前に話しましょう。親身に回答してくれるかどうか見たほうが、実際の依頼も安心です。無料相談の時点でしっかり回答してくれないところが、本依頼で急に丁寧な対応をすることはないでしょう。
労働組合の退職代行によくある3つの質問

こちらでは、労働組合の退職代行によくある3つの質問に答えていきます。
- 労働組合の退職代行は交渉ができる?
- 労働組合の退職代行は違法ではない?
- 労働組合と弁護士の退職代行はどちらが良い?
「労働組合の退職代行を使いたいけど不安が残っている」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 労働組合の退職代行は交渉ができる?
労働組合の退職代行は、会社へ交渉することが可能です。労働組合は、会社と交渉できる組織を指します。
交渉権を認められているため、主に以下の行為ができます。
- 退職日の調整を委託できる
- 有給休暇の消化を依頼できる
- 未払いの賃金や残業代を請求できる
どれも民間の退職代行にはできないことです。
労働組合の退職代行に依頼すれば、トラブルを避けつつ、満足して辞められる可能性が高くなるでしょう。
2. 労働組合の退職代行は違法ではない?
労働組合の退職代行は、違法ではありません。そもそも、退職代行サービスを使って辞めること自体に違法性がないためです。
そのため、労働組合の退職代行だからといって、法律に反する心配はいりません。
ただし、裁判沙汰になったときに対応できない点は注意ポイントです。仮に労働組合の退職代行が裁判の対応をしてしまった場合は、違法になります。
3. 労働組合と弁護士の退職代行はどちらが良い?
労働組合と弁護士の退職代行で悩んだ際には、裁判になる可能性の有無で決めましょう。労働組合の退職代行は、裁判の対応はできないためです。
裁判になる可能性の事例は、主に以下の通りです。
- 退職に伴って、他社員の勧誘や引き抜きをした
- 会社支援の研修・留学後に短期間で辞めた
- 退職を認められていないまま競合他社に勤務した
これらの事例に当てはまらなければ、裁判沙汰になるリスクは低いでしょう。
心配な場合は、依頼を検討している退職代行に状況を相談してみることをおすすめします。
退職代行をお得に安心して使いたいなら労働組合運営がおすすめ

労働組合が運営する退職代行はコスパの良さが魅力。裁判を除けば基本的にまるごとおまかせでき、自分で企業と話をする必要がなくなるからです。
早く辞めたい会社と自分で話をするのは避けたいもの。労働組合が運営する退職代行を活用して、サクッと退職してしまいましょう。