「退職したいけど会社で直接伝えるのは勇気がいる」
「会社に行くのがつらすぎて、家から電話で退職の連絡をしたい」
などの悩みを持っていませんか?
退職の連絡を電話で伝えるのは可能です。
ただ、電話で伝えるだけで退職するのは、マナー違反にあたります。そのため、直接退職の連絡をする場合よりも注意しなければなりません。
そこでこの記事では、
- 退職連絡を電話だけで伝えてもよいのか
- 電話で伝えてもよいケースやよくないケース
- 退職後の流れ
などを解説します。
この記事を読めば、電話で退職する際のポイントもわかるので、不安が和らぐでしょう。ぜひ参考にしてみてくださいね!
退職連絡を電話だけで伝えるのはマナー違反
まず、退職の連絡は電話一本だけでも成立します。したがって、退職届を書かなくても、辞められるのでご安心ください。
しかし本来は、直接上司に退職の意思を伝えるのがマナーです。電話だけで伝えるのは、よっぽどの理由がない限りマナー違反になります。
退職連絡を電話で伝えてもよい4つのケース
退職連絡を電話で伝えるのはマナー違反なので避けなければなりません。しかし、以下のような止むを得ない事情がある場合は、上司にも退職を認められやすくなります。
- 体調不良で外出ができない
- 家族の介護が必要
- 上司にパワハラやセクハラを受けている
- 精神的につらくて会社に行けない
順番に解説しますね!
1.体調不良で外出ができない
長期入院が必要な病気に罹ったり、治療期間が長期化しやすいうつ病に罹ったりした場合は、外出さえ難しくなります。
そのため、電話での退職連絡をしても、認められやすいでしょう。また、大怪我で長期入院する場合も、電話で連絡せざるを得ません。
早期に完治する見込みがある風邪やちょっとした怪我では、電話での退職に納得してもらえないでしょう。
2.家族の介護が必要
家族が倒れ、介護が必要になったケースも電話で退職の連絡をして構いません。なぜなら、家族を介護しなければ、命にかかわる可能性があるからです。
さらに、介護は病気のように治療で治るものではありません。生涯に渡って世話をしなければならないため、出社して退職の意思を伝えるのは困難です。
3.上司にパワハラやセクハラを受けている
退職したい理由が上司によるパワハラやセクハラの場合も、電話で連絡した方が良いでしょう。出社して、上司が原因で退職する旨が伝われば、逆恨みされる可能性もあるからです。
退職の意思は上司ではなく、人事や総務部へ連絡してください。パワハラやセクハラは会社都合退職の扱いにできます。
上司に直接伝えた場合、会社都合にならない可能性もあるので注意が必要です。
4.精神的につらくて会社に行けない
病院に行っていなくても、精神的につらい思いを抱えている方もいるでしょう。その場合、病院に行っていないからといって、無理に出社する必要はありません。
会社に対するストレスから症状が悪化する可能性があるからです。うつ病や適応障害に罹っているケースもあるので、すぐに病院に行きましょう。
なお、精神的な病で退職代行を利用したいという方は「【徹底解説】うつ病で退職する際に診断書が必要な理由とは!やるべき5つのことも紹介」を参考にしてみてください!必要なことややるべきことを解説しています。
退職連絡を電話でする場合の5つの注意点
退職連絡を電話でする場合、直接目の前で退職の意思を伝えるよりも、相手に与える印象はマイナスです。そのため、以下の5つの点に注意して伝える必要があります。
- 円満退職は難しい
- 退職の意思が強いことを伝える
- 電話で連絡せざるを得ない状況について謝罪する
- 念のため、通話内容は録音する退職を伝えるのに適した時期や時間がある
- 退職を伝えるのに適した時期や時間がある
詳しく見ていきましょう。
1.円満退職は難しい
電話だけで退職連絡する場合、円満退職はほぼ不可能と思いましょう。なぜなら、電話で連絡することは、非常識な行為と捉えられるからです。
加えて、電話で連絡をする方のほとんどは、即日退職を望んでいます。引き継ぎもしないまま退職した場合、多くの従業員の業務量が増えるので、迷惑がかかります。
直接関わってない従業員からの評判もガタ落ちするので、円満退職をしたいのであれば、電話だけで連絡して退職するのはおすすめできません。
2.退職の意思が強いことを伝える
退職連絡をする場合、必ず退職の意思が強い旨を伝えてください。
もし「退職したい」「退職させていただきたい」のような伝え方をした場合、退職の意思ではなく、希望を伝えられただけと解釈される恐れがあります。
また、上司にも「強く引き止めれば考え直してくれるかも」という想いを抱かせてしまうでしょう。
そして、退職理由について聞かれた場合も、不満を伝えても良いことはありません。不満を解決する方法を提示されると、退職しにくくなるからです。
その場合は、理由を詳しくいう必要はありません。一身上の都合で通した方がトラブルを避けられます。
3.電話で連絡せざるを得ない状況について謝罪する
電話での退職連絡はマナー違反なので、上司や同僚からも良い印象を持たれません。そのため、伝え方を間違えれば、相手の感情を刺激してしまう可能性もあります。
ただ、電話で連絡せざるを得ない状況について、きちんと謝罪をすれば、上司も上司も理解を示してくれるかもしれません。
退職の意思を伝える際は、迷惑をかけて本当に申し訳ない気持ちやこれまでお世話になった旨も忘れずに伝えましょう。とはいえ、まったく理解を示さずに罵倒されるリスクもある点は、頭に入れておいてください。
4.念のため、通話内容は録音する
退職の意思表示は口頭で伝えた場合でも、本人の意思と会社の合意さえあれば成立します。その理由は、法律で退職を伝える形式について定められていないからです。
とはいえ、口頭でやり取りをした場合、退職の意思を示した証拠がありません。後から難癖をつけて、退職の意思を聞いていないとしらを切られる可能性はあります。
電話で退職の意思を伝える場合は、念のため、通話内容を録音しましょう。録音を残しておけば、会社側も言い訳できなくなります。
通話の録音は、スマホに録音アプリをダウンロードすれば、かんたんにできます。事前に使い方も把握しておきましょう。
5.退職を伝えるのに適した時期や時間がある
退職の意思を電話で伝えた際に、上司が納得してくれるのか不安に感じている方も多いでしょう。
実は、退職をスムーズに認めてもらうためには、伝える時期や伝えるタイミングを間違えないことも重要です。
退職を伝える最適なタイミングは以下の4つ。
- 異動命令が出たとき
- 繁忙期の直後
- 後輩の新人が1人で仕事ができるようになりはじめたとき
- 上司が忙しくないタイミング
正社員の場合、最も退職に適している時期は、異動命令が出たタイミングです。異動時期(4月や10月前後)は、他の時期とは異なり引き継ぎがあります。
後任も決まっているケースが多いので、スムーズに退職できるでしょう。また、アルバイトの場合は、繁忙期は避けるのが無難。その理由は2つあります。
- 忙しい時期に辞められると人員が足りなくなる
- 新しい人を採用するのに時間がかかる
繁忙期はどの業界も人手不足に悩まされています。そのような状況で退職をすると、ほかの従業員の業務負担も増えるでしょう。
新しい従業員を雇おうにも、すでに働き口が見つかっている可能性が高いので、人を雇うのにも時間がかかります。加えて、退職を伝える際は、始業30分前や終業後すぐの時間帯なら、上司も話を聞いてくれるでしょう。
退職連絡は自己都合なので、間違っても業務時間内にしないでください。
退職が認められた場合にやるべきこと4つ
電話で退職の意思が認められた後は、手続きをしなければなりません。ただし、会社で上司に伝えた場合とは、対応が異なるので注意してください。
以下の手順に沿って、手続きを進めましょう!
- 退職届を提出する
- 私物や返却物の取り扱いについて相談する
- 離職票や源泉徴収票なども送ってもらうように手配する
- 引き継ぎについて確認する
詳しく解説しますね!
1.退職届を提出する
退職自体は電話連絡だけでも成立します。ただ、会社側から退職届の提出を求められるケースがほとんどです。
退職届は、郵送で提出すれば問題ありません。インターネット上のサイトにも退職届のテンプレートがあるので、参考にしましょう。
2.私物や返却物の取り扱いについて相談する
退職を認められたら、会社から借りている備品は返却しなければなりません。借りている備品を返さなければ、窃盗罪にあたるからです。
一方、会社に置いてある私物を、どうすればいいのか悩んでいる方もいるでしょう。会社に直接取りにいけない場合は、私物を着払いで送ってもらうしかありません。
なお、私物の返却について連絡が遅くなれば、勝手に破棄される可能性があります。
私物を破棄された場合、損害賠償請求も可能です。とはいえ、高額なものでなければ、泣き寝入りせざるを得ないので注意してください。
保険証や社員証など重要な書類は、会社に届いたか確認できる簡易書留で送るのをおすすめします。
3.離職票や源泉徴収票なども送ってもらうように手配する
会社から退職する際には、以下の書類を受け取らなければなりません。
会社から受け取る書類 | 受け取れない場合に相談する場所 |
離職票 | ハローワーク |
源泉徴収票 | 税務署 |
年金手帳 | 年金事務所 |
厚生年金基金加入員証 | 年金事務所 |
健康保険被保険者資格喪失証明書 | 保険組合 |
これらの書類がいつまでも届かなければ、雇用保険の受給や転職先に提出ができません。
もし、いつまで待っても届かない場合は、嫌がらせで送って来ない可能性があります。会社に督促し、対応してくれない場合は、それぞれの機関に相談しましょう。
4.引き継ぎについて確認する
すぐに退職をしたい場合でも、引き継ぎについては確認しましょう。法律上、引き継ぎをしなくても退職はできます。ただ、引き継ぎをしなければ、会社にも多大な迷惑がかかります。
特に、引き継ぎを怠ったばかりに取引先から関係を解消された場合、損害賠償請求をされる可能性もあるので注意しなければなりません。
会社にもきちんと確認を取り、引き継ぎをするか、引き継ぎをしないで良いように交渉しましょう。
即日退職したいなら退職代行を利用すべき
もし、即日退職を希望するなら、電話で伝えるよりも退職代行を利用すべきです。電話でも退職はできますが、なぜ退職代行を利用すべきなのでしょうか?
- 電話での退職連絡では即日退職は難しい
- 退職代行なら会社との交渉などもやってくれる
順番に見ていきましょう!
1.電話での退職連絡では即日退職は難しい
電話で退職の意思を伝えても、即日退職できる可能性はかなり低いといえます。なぜなら、会社側が、引き継ぎを求めたり就業規則に沿った辞め方を迫ってきたりするからです。
一方で、退職代行を利用した場合、即日退職が可能です。特に、有給休暇が残っていれば、使い切って退職ができます。
2.退職代行なら会社との交渉などもやってくれる
電話で退職の連絡をした場合でも退職はできますが、以下の点について交渉しようとしても、まともに取り合ってもらえません。
- 退職日
- 残業代の請求
- 未払い賃金の支払い
- 有給休暇の取得
なぜなら、電話での連絡がマナー違反にあたるので、会社の方が立場が強くなるからです。しかし、労働組合や弁護士が運営している退職代行を利用した場合、本人に代わって会社と交渉ができます。
法律も熟知しているので、少々強気な対応を取る会社に対しても、法律を盾に説得してくれるでしょう。
そのため、自分で退職の意思を伝えるよりも、はるかに有利な条件で辞められる可能性があります。
ただし、民間企業が運営している退職代行は、会社との交渉ができないので注意してください。
失敗しない退職代行を選びたい方は「【要チェック】退職代行は違法なの?非弁行為になる範囲と失敗しないエージェントの選び方」を参考にしてみてください!
どの退職代行なら安心して利用できるのかわからない方は、以下の記事で退職代行サービスを比較しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!