「毎日残業でしんどい」
「残業するのって当たり前なの?」
「残業が当たり前の会社から脱却したい」
そんなお悩みにお答えしていきます。
慢性的な残業に悩まされている方も少なくないはず。上司に提言してみても「俺の若い頃は…」「近頃の若い連中は…」と説教じみたことばかりで、取り合ってもらえないこともあるでしょう。
実際のところ、残業についてどのように考えればいいのでしょうか。
この記事では
- 残業が当たり前になっている7つの理由
- 状況を放置しておくと起きる4つの異変
- 現状を打開する7つの解決方法
などを解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、残業が当たり前の状態から脱却していきましょう。
残業が当たり前はおかしい!考え方を30秒でサクッと解説
「今日も残業で終電だ」「1ヶ月の残業を60時間以内に収めないといけない」という状態が慢性化している方もいるでしょう。でも、この状況は異常なことだと認識すべきです。
なぜなら、残業は本来臨時的なもので、最小限に留めなければならないという法律の解釈があるからです(参考:労働基準法第36条)
現在は働き方改革が叫ばれ、政府は各企業に残業時間を減らすことを要請しています。しかし、そもそも残業は「急な事態への対応」のために行われるものなので、合法ならば常態化させても良いという考え方は危険なのです。
いつの間にか会社の雰囲気に呑まれ、当然のように残業している方は要注意。自分の行動を見直して、労働者の権利を守るべきでしょう。
残業が当たり前になっている7つの理由
残業は当たり前のように行われるべきものではありません。それなのになぜ、日本企業ではひどい時間外労働が横行しているのでしょうか。
こちらでは、残業が常態化している理由を7つ紹介します。
- 日本の風潮
- 会社の古い体質
- 新しく雇うよりコストカットになるという会社の都合
- 同僚の意識
- 定時で帰りにくい雰囲気
- 定時で終わらない業務量
- 非効率な仕事
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.日本の風潮
いままでの日本の発展は残業がもたらしたものが少なくありません。
たとえば、高度経済成長期。働けば働くほど儲かるような時代だったため、昼夜問わず労働が行われていました。
その過去の栄光から、圧倒的な労働量を美徳とする文化が会社に根づいているのです。
2.会社の古い体質
成功体験にすがりたい気持ちはよくわかります。しかし、環境の変化に対応できず、過去の古い体制のまま現代に突入してしまった企業はとても多いでしょう。
実際、上司のなかには「遅くまで働いている=頑張っている」「リモートワークをせず出社して仕事をする=意識が高い」など誤った評価基準を持っている方もいます。
まずは自分がこの状況に違和感を持つことが大切。「残業で帰りが遅くなる=なぜこんなに時間がかかっているのだろう?どこか効率化できるところはないだろうか」と思考を前に進めていきましょう。
3.新しく雇うよりコストカットになるという会社の都合
慢性的な人材不足が叫ばれている会社は、あえて雇っていないという可能性を考慮しておきましょう。なぜなら、今いる社員に残業させるほどコストが圧縮できるからです。
新たに人を採用するとき、採用・教育・社会保険…などさまざまな費用・手続きの時間がかさみます。会社は既存の社員に残業代を支払うほうがよっぽど助かると考えているかも知れません。
また、業績が悪化したときを想定し、正社員が多いのはリスクが高いと思っている可能性も。人余りになっても、なかなか社員を解雇できない状態に陥るかも知れません。
少なくとも、会社の都合を社員に押し付けるのは良い気分はしないでしょう。全体を見れば合理的な選択かもしれませんが、あなたが犠牲になる必要は1つもありません。
4.同僚の意識
自分が残業に対する意識を変えても、同僚の考え方がそのままだと、いやいやながら会社に残る羽目になるかも知れません。
嫌味を言われたり、そっけない態度を取られたりするかも知れません。
とはいえ、同僚に罪はないという点は覚えておきましょう。彼らも被害者なので、少しずつ意識改革を手伝えるとなお良いでしょう。
5.定時で帰りにくい雰囲気
先輩が残っているのに自分が先に帰るわけには…などと「空気を読む」「周りに合わせる」文化が根づいてしまっているケースもあるでしょう。
帰りにくい雰囲気が出ていると、必然的に残業する社員が増えてしまいます。
仕事が終わっていれば周りの人に迷惑をかけることはありません。空気・雰囲気といった曖昧なものに流されず、自分の価値基準で行動を選択できると良いでしょう。
1人の力では改善することは難しいですが、賛同してくれる人も現れるはずですよ。
6.定時で終わらない業務量
とにかく1人に割り振られた業務量が多い場合は、どれだけ工夫しても残業になってしまいます。
とはいえ、繁忙期だけならまだしも、何ヶ月も状況が改善されないのはイエローカード。
自分が任されている業務を書き出して上司に相談するなど、分担を見直してもらう必要があります。
7.非効率な仕事
業務量が多いのは、もしかしたら生産性の低い仕事が積み重なっているだけかも知れません。
たとえば、以下のような業務は自分の裁量で改善していけるはず。
- 直接入力が多いエクセルに数式を挿入する
- メールの受信確認をするための電話を省く
- 書類やデータファイルを整理整頓し、探す手間を最小限にする
もちろん、会社・部署全体の取り組みのなかで、意味があるかどうかわからないものもあるでしょう。不要なミーティング、余計な議事録、形式張ったチェックリストなど、タイミングがあれば省略を提案していくことも検討しましょう。
会社の第一の目的は、売上を伸ばし存続すること。雑務による残業を減らしてコストを圧縮し、メインの仕事に精を出してくれる社員は歓迎されるべき でしょう。
残業が当たり前になっているヤバい会社の特徴
残業が当たり前になっているのはおかしいことです。それをおかしいと思わないヤバい会社には、どんな特徴があるのでしょうか。
ここでは、残業が当たり前でも何とも思わないヤバい会社の特徴を紹介します。
- ヤバい上司がいる
- 社員を働く道具だと思っている
それぞれ順番にみていきましょう。
1.ヤバい上司がいる
配属された職場の上司がどうしようもない人だと、残業が当たり前になってしまいます。
昔の風潮が染みついた上司にあたると、残業を減らすための提案をしても「俺の若い頃は……」「最近の若者は……」などと言われ、取り合ってもらえないでしょう。
どうしようもなく能力不足な上司にあたると、仕事がうまく回りません。昨日の指示と今日の指示が違えば、社員は混乱してどうすれば良いかわからなくなりますよね。
こんな状況では定時で帰りたくても残業になってしまいます。
残業が当たり前だと思わずに定時で帰れる環境にしたいなら、うまく上司をコントロールするしかありません。
2.社員を働く道具だと思っている
会社の利益のことで頭がいっぱいの上司は、社員を働く道具としか思っていません。雇う人数は最低限で、仕事量を増やして最高のパフォーマンスを要求してきます。
「使えなくなったら新しい社員を雇えば良い」と考えているため、社員から訴えられても仕事量を減らすことはないでしょう。
こんなことが続けば、残業に留まらず休日出勤をする場面も出てきます。プライベートの時間が取れず、徐々に疲弊していきますよね。
社員は会社の道具ではありません。会社の言いなりにならないよう、自分の人生としっかり向き合うことが大切です。
残業が当たり前になると起きる4つのこと
残業は心身ともに悪影響をもたらします。周囲の人にまで飛び火する可能性があるので、十分留意しなければいけません。
こちらでは、慢性的な残業をしている方が陥ってしまう4つの状態について解説していきます。
- 自分の時間が無くなってしまう
- 自分の体力が削られてしまう
- 心も疲れてしまう
- 人間関係が崩れてしまう
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.自分の時間が無くなってしまう
残業が当たり前になると、その分自分のオフがなくなってしまいます。毎日21時〜22時、ましてや終電近くまで働いていたら、その日は会社だけで潰れてしまいます。
休日出勤が常態化していれば、週5日〜6日は自分の時間が作れないことに。数少ない休日も、平日のリセットで終わってしまい、自分の生活を豊かにする活動に興じることは難しいでしょう。
2.自分の体力が削られてしまう
残業は生活習慣の乱れを引き起こします。
たとえば、睡眠の質の低下。夜遅くに食事を摂り、夜中の2時〜3時に寝るような生活を続けていたら、体が持ちません。若いうちは良くても、のちに大きな病気を患ってしまうかも知れません。
休日は死んだように眠る生活になってしまうことも。仕事中心と言えば聞こえはいいですが、学生時代の友人と遊ぶエネルギーや趣味を楽しむ体力は残しておきたいですね。
3.心も疲れてしまう
体は大丈夫と思っても、いつの間にかメンタルに不調が表れてしまうことも。早く帰る人にイライラしたり、同僚の言動にいちいち突っかかってしまったりとストレスが絶えません。
その状況を放置していると、やがて躁うつ状態になり何に対してもやる気が起きなくなってしまいます。
心と身体には密接なつながりがあります。仲間と休日を楽しむ時間を作り、心も豊かに保ちたいですね。
4.人間関係が崩れてしまう
残業が当たり前になると、周囲の人を不幸にしてしまう可能性があります。
たとえば、恋人関係。忙しくなると、あまり一緒にいる時間が取れず、疎遠になってしまうでしょう。
家事・育児といった家族サービスも難しく、子供がらみのイベントに参加できなくなってしまうこともあります。
家族や友人は一生ものなので、残業によって関係を壊さないよう気をつけましょう。
残業が当たり前を解決する7つの方法
残業は自分だけでなく、関わりの深い周りの人も巻き込んで悪い影響をもたらしてしまいます。
それでは、どのように現状を打開すべきなのでしょうか。
こちらでは、7つの解決策を提案していきます。
- 仕事の効率化を図る
- 無駄を省く
- 早く帰る人と認識してもらう
- 上司に相談する
- 自分と他人の仕事を分ける
- 残業しないと決めて働く
- 転職する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.仕事の効率化を図る
まずは、自分でできる範囲で早く帰れる工夫をしましょう。
大切なのは、仕事のリズムをつかむこと。ダラダラと同じことに時間をかけていたり、電話や上司の呼びかけにいちいち振り回されていたりすると、自分の仕事はいつまで経っても終わりません。
- 今日のタスクを決める
- タスクの完了時間に目星をつけてから取り掛かる
- 予想より時間がかかったら何がいけなかったのか振り返る
- 次のタスクを行うときに学びを活かす
というように、毎回PDCAサイクルを回しながら仕事を進めることで、悪い癖に気づき改善していけるでしょう。
人間の集中力が持続する25分を基点に仕事を区切る「ポモドーロ・テクニック」もおすすめ。時間のあるときに仕事の効率化手段を調べておき、積極的に取り入れていきましょう。
2.無駄な仕事を省く
仕事内容を振り返り、省ける仕事があるか検討してみましょう。
せっかく仕事で効率化を図っても、無駄な仕事を一生懸命していたらなかなか仕事は終わりません。今の仕事の中から、無駄を省くことも重要です。
例えば、
- 紙ベースのものはペーパーレスに
- できるだけ自動化
- 不要な会議の撤廃
省けるところはできるだけ省いて簡略化すれば、時短になるだけでなくミスも防げます。本当に必要なことだけに集中できるよう、やらなくて良いことはやらないようにしましょう。
3.早く帰る人と認識してもらう
仕事が早く終わるようになっても、周りに流されてなかなか自分だけ早く帰る決心がつかないこともあるでしょう。
始めのうちは目立ちすぎないよう、やんわりと周りに理由を伝えておくのがおすすめ。
「どうせ繁忙期はなかなか帰れないし、帰れるときに帰っておくよ」「きのう頑張ったから今日は帰るよ」などと、当たり障りのない理由を伝えてみましょう。
「意外と早く帰っても大丈夫そうだな」と感じられれば、定時帰りに対する心理的なハードルは乗り越えたと言えるでしょう。
4.上司に相談する
一人当たりの業務負担が多い場合は、少しでも減らせないか上司に相談するのが良いです。
もちろん、ただ減らしてほしいと伝えても取り合ってもらえないのがほとんどでしょう。上司に伝えるときは、以下のことを意識してください。
- なぜ、負担が多いと感じるのか
- 改善策を試した結果どうだったのか
- 何をどのように減らしてほしいのか
- その結果、会社として得られるものは何か
自分がしてほしいことを伝えるだけでなく、会社にとってのメリットまで伝えられたらGood。提案力を身につけて、仕事の負担を減らしてもらいましょう。
3.自分の仕事と他人の仕事をしっかり分ける
「みんなが残業しているから私も残業しないといけない」「自分だけ残業せずに帰ったらみんなが迷惑する」と考えていませんか?
自分の仕事が終わっていれば、残業なんてしなくて良いです。もっと言えば、その日に終わらせないとダメなもの以外は、明日に回して大丈夫です。
周りが残業しているからといって、自分も合わせる必要は一切ありません。時間になったら帰るようにしましょう。
できるだけ無駄を省いて効率化を図り、集中して仕事をしているのに定時で終わらないのであれば、あなたの責任ではありません。あなたに負担をかけすぎている上司の責任です。
業務配分は上司の仕事なので、その責任をあなたがとって残業する必要はないのです。
6.残業しないと決めて働く
定時で帰るためには、「残業しないはしない」と心に決めて働くことが大切です。
「今中途半端だからキリが良いところまで」「明日の準備が終わってないからやってから」などと、残業する理由はいくらでもあります。
強い意志を持っていないと、結局残業する羽目になってしまうわけです。
- 今日は仕事が中途半端になっても帰る
- 明日の準備は早めにしておく
- 周りが残業していても気にせず帰る
しっかり覚悟を決めて、仕事に取り組みましょう。
7.転職する
自分ができることを試してみて、周りから賛同が得られないとき、転職するのも手段の1つです。
世の中には自分の努力だけではどうにもならない理不尽な会社があるものです。たとえば、早く帰っていると見るや否や面倒な仕事をどんどん振ってきたり、非効率な業務への提言に対して聞く耳を持たなかったりするケースがあります。
あなたの「常態化した残業は改善しなければいけない」「この仕事は効率化できそうだ」という感覚は多くの人が見落としがちなので、大切にするべきです。正しく評価してくれる企業に転職するほうが、幸せになれる場合が多いでしょう。
まずは、大手転職エージェントに話を聞いてみるのがおすすめです。すぐに会社を辞める決断ができなくても、選択肢として持っておくことで、心身に余裕が生まれます。
近年はテレワークを推進している企業も多いので、ワークライフバランスを重視した転職先探しをしてみましょう。
残業が当たり前の職場で辛いなら退職を検討
そもそも残業は当たり前のことではありません。定時が決まっている以上、それに準じて仕事を行うことが健全な状態と言えるでしょう。
もし、業務量過多が原因で心身に不調が表れている場合は、退職も検討してみましょう。
とはいえ、上司が原因で居心地の悪い会社にいると、なかなか自分から退職を切り出せないという方も多いのではないでしょうか。
そういったときは退職代行サービスの利用も検討してみましょう。
たとえば、退職代行SARABAは労働組合がベースなので、自分では交渉しにくい有給の完全消化も難しくありません。退職前後のフォローも充実しているので、安心して辞められるでしょう。
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