「人手不足なのにうちの会社が採用しないのはなぜ?」
「人手不足なのに人を雇わない会社にいてもいいのかな」
と疑問に思っていませんか?
職場が人手不足で悩んでいるのに、上司に相談しても状況が改善されないケースは珍しくありません。 そのような職場にいると、このまま働き続けることに不安を感じている人もいるでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- 人手不足なのに雇用しない理由
- 人手不足の会社が衰退する理由
- そのまま留まり続けるリスク
人手不足の状況を放置している会社でそのまま働き続けるのは可能です。しかし、状況によっては早く転職したほうが良いでしょう。
人手不足なのに雇わない会社が抱える6つの理由
人手不足なのに新しい人材を雇わない会社もあります。その理由をいくつか紹介します。
- 利益を残したいから
- 人を雇う金銭の余裕がないから
- 人を育てる人員の余裕がないから
- 必要な人材が集まらないから
- 経営者や役員が人手不足を把握していないことがあるから
- 人を雇うよりもITツールの導入などをして業務効率化を優先しているから
人手不足に悩んでいる会社で働いている人は、紹介する理由に該当しないか考えてみましょう。
1. 利益を残したいから
人を雇えば固定費がかかるため、より多くの利益を残したいと考える経営者は採用を渋ろうとします。白書 利益重視で従業員の働きやすさを重要視していないからこそ、採用を抑えているのかもしれません。
業績がよく、社長は羽振りがいいのに従業員に還元されていない場合は、人を大切にしていない会社の可能性があります。
2. 人を雇う金銭の余裕がないから
会社に利益が出ていない場合、新しい人を雇うことはできません。 採用には、広告費や人材紹介会社への報酬などがかかるからです。
就職白書2020によると中途採用1人にかかる平均コストは100万円を超えるというデータもあり、会社に余裕がないと募集をかけられません。 資金繰りが悪く、採用をしたいと思っていながらも応募を出せていない可能性があります。
売上が下がっている企業の場合、さらに人材を抱えることに対して不安を感じる経営者は多いものです。新しく人を雇うと、給料だけでなく保険料なども会社が負担しなければならないので、業績悪化のリスクを下げるために採用を避けることもあります。
3. 人を育てる人員の余裕がないから
新しい人を雇用した場合、育成しなければいけません。 前職で活躍していた人でも、会社ならではのルールや提供するサービスの特性を理解しなければ、スムーズに仕事ができません。
とくに未経験者の場合は、育成にさらに時間がかかるでしょう。 人を育てるためには、教育担当者のリソースに余裕があることが必須です。
教育担当者が目の前の業務でカツカツの状態では、育成に手が回らないので採用したくても採用できない状況に陥ります。
4. 必要な人材が集まらないから
採用活動をしても、会社の求めるレベルの人材が集まらないことがあります。 そのような状況に陥るのは、人手不足を課題としている会社が優秀な人材を奪い合っているからです。
とくに中小企業の場合、より条件の良い大手企業に人が取られてしまい、採用に苦戦しやすくなります。 自社が求めるレベルの人が集まらなければ、かえって業務負担が増えるため、採用したくなくなるでしょう。
実際に「希望条件に合う人が集まらない」「内定を出したのに蹴られてしまった」という声は多くあります。 会社が求人を出しているにも関わらず応募が少ない場合は、条件と応募者の希望やレベルが合っていない可能性があります。
求人票に記載された給与が競合他社よりも明らかに低かったり残業時間が長かったりすると、当然応募してくる人は限られるでしょう。 労働条件や労働環境の見直しも検討しましょう。
5.経営者や役員が人手不足を把握していないことがあるから
現場が人手不足で疲弊していても、経営者や役員がそれらの問題を把握していなければ、求人を出そうとしないでしょう。 経営者や役員は、現場で働く社員に会う時間が多くありません。
売上や残業時間といった数字を見ても、現場の苦労を把握するのは困難です。 したがって、現場が人手が足りないと訴えても「仕事が回っているから問題ない」「社員の能力不足だから甘えるな」と判断する経営者もいるでしょう。
6.人を雇うよりもITツールの導入などをして業務効率化を優先しているから
人を雇うのではなくITツールの導入などにより業務効率化を優先している会社もあります。 ITツールを導入する場合、補助金制度の活用ができるので、新たに人材を採用するよりも負担を抑えられます。
また、ITツールの導入により業務効率化が実現すれば、社員の残業時間も削減可能です。 経費削減の目的で、採用よりもITツールの運用に力を入れている会社もあるのです。
人手不足なのに雇わない会社が衰退する3つの理由
人手不足なのに新しい人を雇わない会社は、徐々に衰退する可能性が高いです。理由としては以下の3つが挙げられます。
- 生産性や顧客満足度の低下により売上が落ちる
- コミュニケーションが不足するが落ちる
- 優秀な人材から退職していく
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
1. 生産性や顧客満足度の低下により売上が落ちる
余裕のない職場では、生産性が落ちていきます。 残業が増えていき、従業員が疲弊してしまえば今まで通りのパフォーマンスが発揮できないのは当然です。
クリエイティブな仕事はより難しくなるでしょう。 人員が増えないまま一人ひとりのパフォーマンスが下がれば、会社全体の生産性も落ちます。
少ない人数で生産を上げるために、業務をマニュアル化したり、人材育成したりする余裕もありません。 売上が下がっている以上、設備投資やITツールの導入も難しくなります。
売上の低下により、打つ手がどんどん減ってしまい、さらに売上が下がる悪循環に陥ってしまうのです。
2. コミュニケーションが不足する
人員がカツカツの状態で仕事をしていると、社員同士のコミュニケーションを取る時間が減ります。部署を超えて話す時間が減った結果、働きにくい環境になってしまうかもしれません。
また、部内でのやり取りも減れば、社員間でフォローし合う余裕もなくなります。伝達ミスも増え、業務効率も低下するでしょう。
新入社員に新しい業務を教える時間がなくなるため、社員の成長も望めません。 当然、顧客に提供できる価値が低下して、他社との競争力を失って衰退していくでしょう。
3. 優秀な人材から退職していく
人材不足の会社で働くのはしんどいものです。居心地が悪いと感じたり、そのまま働き始めることに疑問を感じたりして、退職を考え始める人も出てきます。
とくに以下のような愚痴が現場から聞こえてきたら、転職を考え始めている人が周りにもいるかもしれないので注意が必要です。
- 働くのが前よりも楽しくない
- 残業ばかりでプライベートの時間が取れない
- この会社、大丈夫なのかな
さらなる人材の流出により技術力や他社との競争力の低下を招くので、衰退しやすくなります。
人手不足が深刻な会社を辞めてもいい!とどまる4つのリスク
ここまで読んで「今の会社にいたらヤバいのでは?退職したほうがいい気もするけど、どうしよう」と不安に思った方もいるでしょう。 結論から言うと、人材不足が解消されない企業ならば、辞めることを検討すべきです。
もし人手が足りない会社に居続けると以下のようなリスクがあります。
- 自分の体を壊す
- 転職時期を逃す
- 成長のチャンスを失う
- 職場がなくなる
職場を離れるべきか考え始めた人は、ぜひリスクもしっかり理解して今後の進路を決めましょう。
1. 自分の体を壊す
もし人が足りずに残業が当たり前になっていたり、前より居心地が悪かったりしている場合、無理に働き続けると心身の不調に陥る可能性があります。 本格的に体を壊すと、元通りに働けなくなるかもしれません。メンタルの不調を患った場合も完治までには長い時間がかかります。
あなたが体を壊してしまったとしても、会社が責任をとってくれるわけではないので、心身に不調を感じてから転職を考えるのは遅いです。 身体が悲鳴を上げそうと感じている場合は、環境を変えるほうが良いでしょう。
仕事が限界のときに出てくるサインについては「仕事が限界のときに出てくる13のサインとは?心身を回復する対処法も解説」にて解説しています。体調面で不安がある方は、参考にしてみてください! https://taisyokudaikou.com/work-limitations-sign/
2. 転職時期を逃す
年齢が上がるほど即戦力が求められるため、転職の条件が厳しくなります。 今の仕事が合わずに心機一転違う仕事をしたい場合、若いほうが選択肢は広がります。
第二新卒や30歳未満の若手の場合、まだ多くの仕事から選べる今のうちに退職して次の仕事を探すようにしましょう。 今の仕事自体が楽しくて業界・職種を変える必要がない場合でも、年次が上がると役職者として採用するケースが増えるため、相応の経験を求められるようになります。
とくに今の会社では同業他社より経験が積めないと感じている場合は危険です。転職しようとしても、今と同程度の条件が望めなかったり、採用そのものを見送られたりするケースもあります。
3. 成長のチャンスを失う
人手不足の会社では、目の前の業務を回すのに手一杯のため、人を育成する時間が取れません。 新たな仕事にチャレンジする環境もないため、成長が見込めないでしょう。
今の会社にダラダラいるうちに、同年代の人たちに比べてさらに差がついてしまいます。 自社と同じくらいの規模の会社で働いている同期のほうが、多くのチャンスをもらえていたり管理職についていたりしていた場合は注意が必要です。
自分の市場価値を上げたいと考えているのであれば、早く辞めるべきです。
4. 職場がなくなる
人手不足が続いている会社は、徐々に衰退していき、最悪の場合は倒産するリスクがあるでしょう。 会社が存続できたとしても、事業縮小によるリストラに遭う可能性があります。
会社都合の退職の場合、失業保険をもらえる期間は延びますが、早く新しい仕事を見つけなければならないという不安がつきまといます。 焦って今より条件の悪い企業に就職せざるを得ない状況に追い込まれると悲惨です。
会社に将来性がないと感じている場合は、すぐに転職活動を始めて、少しでも心にゆとりがある状態で仕事を選ぶようにしましょう。
人手不足の会社をスムーズに辞めるためのポイント
人手不足の会社では、休日出勤や残業が当たり前の会社が少なくありません。辞めたくても、上司から強く引き止められることが多く、会社にお世話になった気持ちを捨てられない人もいるのではないでしょうか。
そこで、人手不足の会社をスムーズに辞めるためのポイントを紹介します。
- 繁忙期を避けて退職の意思を伝える
- 前向きな退職理由を考えておく
- 退職届も書いておく
- 損害賠償請求や懲戒免職のリスクはほぼない
時間が経つほど辞めづらくなるので、これらのポイントを押さえた上で辞めるようにしましょう。
1.繁忙期を避けて退職の意思を伝える
繁忙期まっただ中に退職の意思を伝えた場合、上司が感情的になりやすいので、強く引き止められる可能性が高いでしょう。あなたの退職を認めてしまうと営業が成り立たなくなる可能性があるからです。
したがって、繁忙期の2ヵ月前もしくは繁忙期終了後のタイミングで退職の意思を伝えるようにしましょう。 引き止められる可能性はありますが、繁忙期に伝えるよりはスムーズに退職しやすくなります。
2.前向きな退職理由を考えておく
上司に退職の意思を伝える際に、辞めたい理由をストレートに伝えすぎると悪い印象を与えてしまいます。 波風立てないように辞めるためには、前向きな退職理由を伝えるべきです。
残業時間が長いという理由は「さらに効率的に仕事をしてみたくなった」「努力や成果に見合う評価制度の整った会社で働いてみたい」といった理由に言い換えられます。 前向きな退職理由であれば、上司も納得しやすいので、スムーズに退職できる可能性が高くなります。
退職理由の伝え方については「【必見】最強の退職理由12個を一挙公開!引き止められないためのポイントも紹介」にて解説しています。適切な理由の伝え方がわからない方は、参考にしてみてください! https://taisyokudaikou.com/taishoku-reason-super/
3.退職届も書いておく
退職を認めてもらうためには、退職届を直属の上司に提出しなければなりません。上司に辞める意思を伝えた後でも問題はないので、退職届の書き方を調べておいて完成させておきましょう。
「退職届を見ていない」「受理した覚えがない」といった言い訳をして退職を引き延ばす上司もいますが、目の前で提出すれば民法上退職の意思を伝えたことになります。
退職届の書き方については「パワハラでやめるときの退職届の書き方とは? 会社都合で退職すべき理由も解説!」にて解説しています。退職届をはじめて書く方は、参考にしてみてください! https://taisyokudaikou.com/taisyokutodoke-riyuu/
4.損害賠償請求や懲戒免職のリスクはほぼない
人手不足の会社を辞めるのは心苦しいかもしれません。「もう少しいてくれ」「君がいないと業務が回らないから退職を待ってくれ」と慰留されることもあります。
あなたが辞めたら業務が回らなくなるといった理由で損害賠償請求すると言われる可能性もありますが、本気で捉える必要はありません。労働者には会社を辞める権利があるため、退職のみを原因に損害賠償を請求することは難しいです。
ただし、退職時に従業員を引き抜いたり無断欠勤を続けて業務が回らない状態にしたりするなど、会社に不利益をもたらすような辞め方をした場合は話が変わります。 会社に損失を与えている以上、損害賠償請求が認められる可能性が高いでしょう。
損害賠償を請求されることなく辞める方法については、「即日退職は法律上可能?損害賠償を請求される可能性や安全に辞める方法を解説」で詳しく解説しています。 上司が退職を認めてくれない会社で働いている人は、参考にしてみてください! https://taisyokudaikou.com/sokujitsutaisyoku/
人手不足なのに雇わない会社は辞めていい!退職代行も活用しよう
人手不足なのに新しい人材を雇わない会社は、何かしらの事情を抱えているものです。いつまでも状況が改善しないならば、将来的に衰退する可能性が高い会社で長く働き続けるのはおすすめしません。
上司に辞めたいと伝えたにもかかわらず、過度な引き止めにあってしまったり、まともに聞き入れてもらえなかったりする場合は、退職代行を検討してみてはいかがでしょうか?
退職代行は、あなたの代わりに退職したいという意志を伝えてくれるサービスです。依頼をしてからは会社とのやり取りをすべて代行してくれるため、出勤せずに退職ができてしまいます。
退職代行を使うと、以下のようなメリットがあります。
- 上司に顔を合わせずに退職できる
- 即日すぐに出社しなくて良い
- 損害賠償請求や懲戒解雇に怯えなくてすむ
上司と顔を合わせて気まずい思いをすることはありません。有給を使うことで即日すぐに出社しなくていいように手続きを進めてくれます。 すぐに辞めたい人は、ぜひ退職代行を利用してみてください。