退職代行を使うと退職金がもらえない?支給されない3つのケースと損しない工夫を解説

「退職代行を使って会社をやめたいけど、引き継ぎなしだと退職金がもらえないのかな?」と疑問を持つ方に向けた記事です。

会社をやめたくても、収入が途絶えるのは不安なもの。退職金があればしばらくの生活資金になるので、もらえるかどうかは死活問題。

結論から言うと、退職代行の使用の有無に関わらず、退職金がもらえないケースもあります。想定していたお金がもらえず焦らないために、あらかじめルールを確認しておきましょう。

この記事では、

  • 退職代行で退職金がもらえないケース
  • 退職金制度の概要
  • 退職金で損しないために工夫すべきこと
  • 退職金をもらえなかった際の対処法

をまるっと解説!退職金がもらえるか不安を抱えている方は必見です!

目次

退職代行では退職金がもらえない可能性あり

退職代行を使っても、退職金がもらえない可能性は十分あります。

企業が独自に定める制度であるため、支払い義務はありませんそもそも、「退職金を払わないといけない」という法律は存在しないのです。実際、退職金制度がある企業の割合は80.5%にとどまっています。
(参考:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査

そのため、退職代行を使うかどうかに関わらず退職金が貰えない可能性もあります。

余談ですが、有給休暇は雇われて働く全労働者に与えられる権利です。労働基準法第39条によって条件や日数の決め方も規定されているので、全員が使えます。

退職代行を使っても退職金がもらえない3つのケース

それでは、どんなときに退職金がもらえないのか、具体的に3つのケースを解説していきます。

  1. 就業規定に記載がない場合
  2. 就業規定の不支給条件に当てはまる
  3. 民間の退職代行を使って支払いを拒否された

1. 就業規定に記載がない場合

そもそも就業規定に退職金に関する記載がない場合は、もらうことはできません。

繰り返しになりますが、退職金を払うのは義務ではなく、支払うかどうかは企業に委ねられています。そのため、そもそも退職金に関する取り決めがない場合は、諦めるほかありません。

もし、退職金を当てにして退職代行に依頼するなら要注意。先に就業規定に目を通すことをおすすめします。

逆に、退職金に関する規定があれば、退職代行で引き継ぎせずにやめたとしても、支払われる可能性が高いです。

2. 就業規定の不支給条件に当てはまる

就業規定に退職金の記載があっても、もらえないことも。それは、「退職金の不支給条件」に当てはまる場合です。会社によって以下のような条件を個別に設定していることもあります。

  • 勤続年数3年以下の場合は退職金なし
  • 自己都合退職の場合は退職金4割減

条件は会社ごとに設定できます。

退職金の支払いは、就業規定に則っていれば問題ありません。そのため、そもそも支給しない条件に当てはまっている場合は、諦めるしかないでしょう。

3. 民間の退職代行を使って支払いを拒否された

就業規定に退職金の記載があっても、支払いを拒否されることもあります。

民間の退職代行を使った場合、支払い拒否されたらその後の対応は自分で行わなければいけません。民間の退職代行エージェントの場合、企業への交渉ができないからです。退職代行ができるのは、「退職の意志を企業に伝えること」だけ。

  • 弁護士
  • 労働組合

以外の退職代行エージェントが具体的な交渉をすると、非弁行為となり違法です。そのため、企業に「退職金を払えない」と言われたら何もできません。

なお、就業規定に退職金に関する記載がある場合は、支給義務があります。規定を無視して支払いに応じてもらえない場合は行政機関や弁護士に相談することで解決する可能性があるので、しっかり受け取りましょう。

揉めて自分で動くのが面倒な方ならば、最初から弁護士や労働組合が運営いしている退職代行サービスを選ぶのがおすすめです。

退職金について再チェック!2つの種類を解説

ここまで退職金が受け取れないケースについて紹介してきましたが、そもそも退職金についてしっかり理解していない方もいるのではないでしょうか?改めて、退職金について説明していきます。

退職金は大きく分けて2種類。

  • 退職一時金
  • 企業年金

それぞれ受け取りのタイミングや運営方法が異なります。企業により、両方併用して採用しているところもあります。

1. 退職一時金

退職一時金は、名前の通り退職したタイミングで一括でもらえるお金です。

運用は各企業に任されており、ルールもそれぞれ異なります。以下のような条件で金額が決まることが多いです。

  • 勤続年数
  • 役職
  • 受け取っていた給与
  • 資格の有無

退職金規定には、金額の算定方法も記載されているのでしっかり確認しましょう。

2. 企業年金

企業年金は、老後に向けて年金を積み立てることができる制度。具体的には以下のような仕組みがあります。

  • 厚生年金基金
  • 確定給付企業年金
  • 企業型確定拠出年金

退職一時金は企業内部で運用、支払いするもの。一方で、企業年金は外部に運用を委託しているのが特徴です。

また、企業年金は転職時に引き継ぐことも可能。転職先にも同様の制度があれば、その場で引き出さずに老後まで取っておくことができます。

退職代行を使うと退職金が少なくなる?知っておくべき3つのこと

退職代行を使ったことを理由に、退職金が少なくなるケースはほとんどありません。就業規定で決められた金額は、基本的に支払い義務があるからです。

ただし、中途退職によって退職金が少なくなることは多いです。具体的に以下の内容を理解しておきましょう。

  1. 一般に勤続年数で金額が変わる
  2. 一つの企業で働き続けるほうが総額が大きくなる傾向がある
  3. 自己都合退職だと金額が下がる

1. 一般に勤続年数で金額が変わる

退職金は、勤続年数に応じて支払われることが多いです。また、3年以下の場合は支給なしなど、年次によってもらえない場合もあります。

退職金を多くもらいたいならば、勤続年数が長い方が有利です。

2. 一つの企業で働き続けるほうが総額が大きくなる傾向がある

退職金は、長期で在職してくれた人に対する報酬の側面もあります。そのため、在籍期間が長いほど、掛け率を高くしているところが多いです。

退職金の計算方法は、国家公務員の規定を参考にしているところも。以下の方式で算出していることが多いです。

退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額

この、「勤続期間別支給率」を指数関数的に増やし、長期勤続者が得する仕組みを作っています。

そのため、一定期間で転職を繰り返す人より、1社に勤め続けた人の方が、定年までの総額も大きくなる傾向があります。

3. 自己都合退職だと金額が下がる

一般に、自分から退職を切り出す「自己都合退職」だと、会社から解雇される場合より金額が下がります。

また、自己都合退職で同業他社に転職する場合は要注意。そもそも、競合になる企業への転職が制限されている場合もあるからです。

就業規則で転職に関する制限がかかれている場合は、退職金の返還を求められるケースもあるので、事前に読み込むことを強くおすすめします。

退職金で損しない!退職代行を使う前に確認すべき点

退職金で損しないためには、事前の準備が大切です。しっかりと支払いをしてもらうために、以下の2点は必ずチェックしましょう。

  1. 退職金制度の規定
  2. 退職代行の運営元

1. 退職金制度の規定

退職金制度の規定は必ず読み込みましょう。そもそも制度がない場合は、退職金はもらえません。

また、退職金の査定方法もしっかり読み込む必要があります。会社によって、勤続年数の数え方に差があることも。

  • 入社年次で勤続年数を決める
  • ある日付を超えると年次を切り上げで計算できる

特に切り上げがあるところは、しっかり確認が必要です。辞めるタイミングが数日違うだけで退職金の支給額が大きく異なることもあります。

2. 退職代行の運営元

退職代行で辞める場合は、運営元の確認も必須。民間の退職代行エージェントを使った場合、退職金の支払いを拒否されたら交渉できませんもともと貰える権利のあったお金が、サービスの選び方次第でもらえなくなるのはもったいないですよね。

退職金の支払いを拒否された場合、対応できるのは以下の2つの運営元だけ。

  • 労働組合
  • 弁護士

会社と交渉する権利があるので、一度拒否された後もやり取りしてもらえます。

なお、「弁護士監修」と書かれているだけでは、交渉はできません労働組合もしくは、弁護士直々に対応してくれるサービスを選びましょう。

退職金の交渉もできる退職代行サービスを探している方は、「退職代行SARABA」がおすすめ。労働組合が運営しているので、会社との交渉ができるからです。

安心しておまかせしたい方は、無料相談も用意しているのでぜひご利用ください。

>>退職代行SARABAを利用してみる

【退職金以外でも損しないために】退職代行を選ぶ5つのポイント

もらえるはずの退職金を取り逃がさないためには、弁護士もしくは労働組合の退職代行を選ぶべきだとお伝えしてきました。

ただし、安心して会社を辞めるにはそれ以外のポイントも踏まえてエージェントを選ぶのがおすすめ。

  1. サービスの対応範囲
  2. 料金体系
  3. 口コミ
  4. 連絡の速さ
  5. 非弁行為の有無

の5点をチェックすると、満足のいく結果になるでしょう。

1. サービスの対応範囲を確認する

退職代行サービスによって扱う内容は異なります。退職の意思を伝えるだけの業者もあれば、細かなやり取りまで代行してくれるところも。勤務先とこじれたときに交渉ができるところ、できないところさまざまです。

また、深夜対応はしていなかったり、オプション料金がかかったりするところもあります。扱うサービスおよびオプション料金の有無は会社によって異なるので、事前にしっかり比較しておきましょう。

ホームページの記載を確認した上で、疑問点があればあらかじめ聞いておくことを推奨します。

どんな退職代行サービスを選べばいいかわからないという方は「【2021年版】退職代行おすすめランキング15選!30社リサーチした結果と見るべきポイントも解説」をご覧ください!退職代行サービスのおすすめランキングや、選び方を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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2. 料金体系を確認する

料金はいくらか、何に追加料金がかかるのかしっかり確認しましょう。

退職代行の料金の相場は3万〜5万円くらいです。エージェントにより2万円台のところもあります。相場に対して安すぎる場合は、追加料金がかからないか必ず確認しましょう。

弁護士が直接対応するところでは、5万ほどが相場。別途、退職金や未払金の請求は出来高報酬になっていることが多いです。報酬割合は問い合わせしてから開示されるところもあるので、依頼前にしっかりヒアリングしてください。

3. 口コミを確認する

申し込み前にSNSなどで口コミを確認するのもおすすめ。退職金がもらえたかどうかの情報も得られるかもしれません。

うまく退職できた、退職金がしっかりもらえたという声が多いエージェントなら信頼しておまかせできますよね。サービスが増えてきているからこそ、利用者の声が集まっているところを選ぶのが良いでしょう。

4. 連絡の速さ・丁寧さを確認する

本依頼の前に、無料相談を用意しているところも多いです。速く依頼して会社から離れたい気持ちはわかりますが、事前にやり取りをして見ることも大切。

  • そもそも退職できるのか
  • リスクはないのか
  • 退職金はもらえるのか

など、気になることは事前に話しましょう。親身に回答してくれるかどうか見たほうが、実際の依頼も安心です。

連絡したときの応対を見たり、疑問点を確認したりしながら、この人たちなら信頼できるなと思えるエージェントを選ぶと失敗しませんよ!

5. 非弁行為の有無を確認する

非弁行為をしている退職代行は、選ばないようにしてください。非弁行為とは、本来弁護士にしか認められていない業務を、無資格で提供することです。

弁護士が関わっていないにも関わらず、次のような行為を売りにしている退職代行は利用を避けましょう。

  • 訴訟に関する代理行為
  • 未払い賃金・残業代の請求
  • 退職金の請求・交渉
  • 有給に関する交渉

これらの行為は、本来ならば弁護士か労働組合でないと対応できません。運営に弁護士や労働組合に関わっていない退職代行は、非弁行為を含んだサポートをしていないか、申し込み前にチェックすることが大切です。

退職金をもらえなかった際の対処法4選

弁護士や労働組合と連携していない退職代行を使うと、会社側に退職金の支払いを拒否されることがあります。支払いに関してトラブルになってしまったら、退職金を受け取れるよう次の方法で対処しましょう。

  1. 自分で請求する
  2. 法的手続きをとる
  3. 公的窓口に相談する
  4. 弁護士に相談する

1. 自分で請求する

内容証明郵便などを使い、自分で退職金の支払いを請求する方法です。

退職金の受け取りに関して妥当性を証明できるよう、証拠を揃えて請求しましょう。次のような資料が、退職金の受け取り基準を満たしていることを証明できます。

  • 雇用契約書
  • 退職金に関する就業規則
  • 退職した事実を示すための離職票

証拠と一緒に、支払いを催告するための請求書を送ります。請求書には、退職金を受け取るの根拠や、支払い先口座、期日などを記載することが一般的。

内容証明を使えば「書面で退職金の支払いを請求した」という事実を、郵便局が証明してくれます。会社側から支払いを渋られても、内容証明が裁判の貴重な資料となるでしょう。

2. 法的手続きをとる

内容証明を使った任意での請求に応じてもらえなかったら、法的手段を取ることもできます。

退職金の請求で使える法的手段の例は、以下の通りです。

種類 特徴
少額訴訟
  • 請求総額が60万円以下で使う
  • スピーディで費用が安価なことがメリット
通常訴訟
  • 確定判決を得られる
  • 請求金額の上限がない
  • 時間と手間がかかる
裁判外紛争解決手続き
  • 訴訟を起こすことなく解決を目指せる
  • 原則1日で結果が分かる
  • 訴訟よりも費用が安価

「裁判を起こしてまで請求するのは気が引ける……」と感じたら、裁判外紛争解決手続きの利用がおすすめです。

3. 公的窓口に相談する

公的窓口では、例えば労働基準監督署が退職金請求に関する相談に応じています。

相談できるのは、就業規則などで明確な支払い条件が示されている場合。退職金は法律で定められた支払いではないため、明確な規定により「賃金と同等の扱いができる」と認められなかれば、労働基準監督署の対応範囲とはなりません。

もし違法性が認められれば、労働基準監督署から会社へ行政指導が行われます。

また、労働局などに設置されている「総合労働相談コーナー」への相談でも、労働基準監督署に取り次いでもらうことが可能です。

4. 弁護士に相談する

「自分で行動するのが不安」「事情が複雑で、何から行動すれば良いのか分からない」という方は、弁護士に相談するのがおすすめ。

法的手続きを代行してくれたり、退職金請求を全般的にサポートしたりしてくれます。訴訟を検討していなくても、弁護士の利用は可能です。

初めて弁護士を利用する時は、弁護士への相談サイトや無料面談で事情を話すことから始めてみてください。

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