「保育士の仕事を辞めたい!」
「仕事を辞めようと思うんだけど、上司に言い出しづらいなぁ」
このように悩んでいる保育士の方は多いのではないでしょうか。
保育士は退職時に季節行事などを考慮する必要があるので、スムーズに辞めるのが難しい職業の一つと言えます。
この記事では先輩保育士が辞めることを決断した理由を紹介するとともに、スムーズに退職するまでの流れを解説します。
読み終わったころには保育士を辞めるためにやるべきことが見えてくると思いますので、ぜひご一読ください。
保育士が仕事を辞める理由7選
保育士は他の仕事よりも離職率が高い職業の一つですが、なぜ退職される方が多いのでしょうか。
保育士が仕事を辞める理由は主に7つあります。
- 同僚・園長先生との人間関係が悪い
- 園・施設の方針に不満がある
- 待遇面への不満
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い上に休日が少ない
- 保護者からの過剰なクレーム
- そもそも向いていなかった
一つずつ見ていきましょう。
1.同僚・園長先生との人間関係が悪い
一緒に働く同僚や園長先生との人間関係が悪いことが、まず挙げられます。
人間関係が悪くなると業務をスムーズに進められなくなるため、必要以上にストレスを感じながら仕事をしないといけません。
実際に保育園は女社会であることが多いです。最近は男性の方も増えてきていますが女性の方が多数派なため、パワハラが起きたときに陰湿になりやすい傾向があります。
女社会の環境に上手く溶け込めずに人間関係を築けなかったために、保育士を退職する方が多いのです。
2.園・施設の方針に不満がある
園および施設の方針に不満があるために辞めていく保育士もいます。
保育園ではそれぞれ保育の方針が決められています。一例として「伸び伸びと自由に育てる」「知育を重視する」などです。
園ごとに決められた方針に合わないために辞めてしまう保育士は多いです。
また園の方針に惹かれて入社した保育士であれば、入社前とのギャップに耐えられずに辞めていくケースもあります。
園や施設の方針に納得がいかずに退職を選択するケースもあるのです。
3.待遇面への不満
給料などの待遇面に不満を感じて辞めていく保育士さんも多いです。
平成29年度の統計では全国平均年収が432万円なのに対して保育士の年収は342万円。全国平均に比べて低い水準であることが分かります。
【参考】平成29年分民間給与実態統計調査
平成29年度保育士および幼稚園教諭の平均賃金等の実態について
特に私立保育園ではさらに水準が低くなる傾向があり、手取り月収が10万円台前半であることもザラです。
実際に待遇面を理由に他の職種に転職する保育士もいます。
保育士は他の職業に比べて待遇面が低い傾向にあるので、それに不満を感じて退職する人は多いのです。
4.仕事量が多い
仕事量の多さに不満を感じて辞めていく保育士さんも多いです。
保育士の日々の業務は非常に幅広く、子供の面倒を見るだけでなく連絡帳の記入、指導計画の作成、行事の企画・準備などで多忙を極めます。
特に運動会や発表会などの行事が近づくと、家に持ち帰って仕事をしている保育士もいるそうです。
保育士の業務量の多さに耐えられず、不満を感じて辞めていく方は多いのです。
5.労働時間が長い上に休日が少ない
労働時間の長さと休日の少なさに不満を感じて辞めていく保育士もいます。
保育士業界は全体的に人手不足と言われているため、現場の保育士を長時間労働と休日出勤で回しているケースが多いです。
基本的に保育士は土日休みですが、運動会などの行事は土日に開催されます。
この時に振替休日を取れればいいですが、そうでない保育園の場合だとただ休みが減らされてしまうだけです。
また土曜保育を実施している園の場合、人手不足のために土曜日の出勤を余儀なくされる保育士もいるでしょう。
人手不足ゆえに労働時間の長さと休日の少なさに不満を感じて、辞めていく保育士さんは多いのです。
6.保護者からの過剰なクレーム
保護者から受ける過剰なクレームに耐え切れずに辞めていく保育士さんも一定数います。
保育園を利用される方にはさまざまな保護者さんがおり、時には心無いクレームの対応を迫られることもあります。
園側に非がある場合は謝罪をして納得してもらえればいいのですが、それでは済まない保護者も一定数います。
保護者からの過剰なクレームに対処しきれずに心を病んでしまい、退職を選ぶ方も多いのです。
7.そもそも向いていなかった
保育士という職業に対して、憧れを抱く人は多く存在します。ただし、実際に働いてみるとその大変さから、想像と現実のギャップに苦しむケースも珍しくありません
「自分は向いていない」と感じた場合、自己分析し直して他の仕事を探すべきです。自分に合った仕事を見つけて、ギャップに苦しまないようにしましょう。
保育士を辞めるまでの流れ5ステップ
「保育士を辞めたいけど辞め方が分からない…」と行動に移せない方も多いでしょう。
そこで保育士を辞めるまでの流れを解説します。退職までの流れは以下の5ステップです。
- 1-2ヶ月前より退職の旨を直属の上司に伝える
- 退職願を提出する
- 業務の引継ぎをする
- 退職
- 制服など借りている備品を返却する
大半の保育士にとって一番の鬼門は1.の直属の上司に伝えるところでしょう。伝え方の詳細は後述しますが、ここを乗り越えればあとはスムーズに進められるはずです。
保育士をスムーズに辞める際のポイント5つ
「保育士をスムーズに辞める方法を知りたい」
退職の決断をした保育士の方が、スムーズに手続きを進めるポイントは以下の5つです。
- 大きな行事前を避ける
- 退職後のキャリアを考える
- 引き留めがあっても流されない
- 退職時の書類をしっかりと準備する
- 引継ぎの内容を明確にしておく
順番に見ていきましょう。
1.大きな行事前を避ける
運動会や発表会などの大きな行事前に退職の話をするのは避けましょう。
行事前の時期は準備などで大変忙しいはずです。そんな中で退職の話を持ってこられても上司としては対応しきれないものです。
また行事前にあなたが退職してしまうと現場も回らなくなってしまう恐れがあるので、同僚との関係性の面からもおすすめできません。
退職の話をするのであれば大きな行事が終わって、片付けもひと段落した段階であれば上司も時間を取りやすくなるはずです。
行事終了後の落ち着いたタイミングで退職の話を進めましょう。
2.退職後のキャリアを考える
退職を伝える前に、退職後のキャリアを考えるようにしましょう。
退職を考えている人の中には、退職後のビジョンが見えないために躊躇している方も多いのではないでしょうか。
退職後のキャリアが考えられれば、あとはそこに向かって進むだけ。ご自身の今後のキャリアを考えるだけで退職に向けて行動しやすくなります。
一例として別の保育園へ移るのか、他の職種へ転職するのか、資格を取るために勉強するのか、などなど。
無理して転職先を決める必要はありませんが、最低でも退職後に何をするかだけでも決めておくといいでしょう。
退職後のキャリアを考えておけばそこに向けて行動を移しやすくなります。ぜひ将来のやりたいことを考えてみましょう。
3.引き留めがあっても流されない
退職の旨を上司に伝えたときに引き留めがあったとしても流されないようにしましょう。
保育業界が全体的に人手不足である現状を考えると、上司があの手この手であなたを引き留めてくる可能性は十分にあります。
例えば「待遇を良くするから」「労働環境を改善するから」といった要求に応えるようなものもあれば、「辞めても次なんて見つからない」という脅しを掛けられることも。
しかしあなたの要求に応えるようなことを言われたとしても、結局は口約束で終わってしまうことが多いものです。
引き留めがあったとしても残る意味は無いので、退職を伝える際は「何を言われても絶対に辞めてやる!」ぐらいの気持ちで挑むようにしましょう。
なお引き留めにそもそも合わないための方法は、引き留められにくい理由を伝えることです。
次の項で保育士を辞める際に伝えるべきおすすめの理由を紹介するので、ぜひご一読ください。
4.退職時の書類をしっかりと準備する
書類に不備があると、スムーズに辞めづらくなるケースがほとんどです。退職届と退職願は早めに準備しましょう。
書類に誤字脱字、情報の抜け漏れがあるとトラブルの原因になりかねません。内容に問題がないか、事前に十分な確認をしておきましょう。
5.引継ぎの内容を明確にしておく
業務をどのように引き継ぐのか、引き継ぐ内容を明確にしましょう。スプレッドシートや紙などに書き出すとイメージしやすくなります。
引継ぎなしで辞めようとすると、トラブルの原因になってしまいます。誰に引き継ぐのか、どのような内容を伝えるのか明確にしておきましょう。
スムーズに保育士を辞めたい人には「【例文あり】退職はメールで上司に切り出してもOK!注意点や3つのリスクを解説」の記事もおすすめです。実践的なテクニックを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
保育士を辞める際に伝えるおすすめの理由3つと注意点
「辞めることを伝えようと思うんだけど、どうやって伝えたらいいんだろう…」
保育士を辞める旨を伝えるにあたって、上司への伝え方に悩まれる方は多いのではないでしょうか。
ここからは保育士を辞める際に伝えるおすすめの理由を3つご紹介します。
- 家庭の事情
- 他にやりたいことができた
- 体調不良
さらに上司に伝える際の注意点も解説しているので、ぜひご一読ください。
上手く上司に伝えたいのであれば「【失敗しない】円満に退職するための上司への伝え方6選!例文つきで解説」の記事も参考になります。なるべく穏便に済ませたいと考えている人にとって、要チェックの内容です。
1.家庭の事情
家庭の事情を持ち出して退職を伝える方は非常に多く、実際にこの方法であれば上司としては引き留めづらいものです。
一例として「結婚した」「親の介護がある」「(一人暮らしの場合)親から実家に戻ってくるように言われた」等が挙げられます。
実際にそのような事情が無いとしても、退職後に嘘がバレなさそうな内容であれば、それを口実に伝えてみると良いでしょう。
2.他にやりたいことができた
保育士から別職種への転職を検討されている方は素直に「他にやりたいことができた」と伝えるのも良いでしょう。
この時の注意点は保育士の仕事を卑下しないことです。
保育士の業務内容に不満を感じている方であればついつい「私には合わなかった」「子どもの面倒を見るのが辛い」などと言いたくなってしまうかもしれません。
しかし上司側からすれば保育士の仕事を卑下されるのは気分が悪くなるものです。
「他にやりたいことができた」と伝えるときは、基本的にそれ以上話す必要はありません。
上司から深く聞かれた時に保育士の仕事で良かった面を引き合いに出したうえで、やりたい理由などを伝えると良いでしょう。
3.体調不良
保育士業務を理由に体調を崩されてしまった方は、体調不良を理由に退職するのも一つの手です。
保育士は激務であるため、体調を崩される方は多いです。
体調不良を理由に退職の意思を伝える際は、医師の診断書等を添えると理解してもらいやすくなるでしょう。
上司が「これ以上業務を遂行するのは難しい」と判断すれば、引き留められなくなります。
保育士の仕事がきっかけで体調に支障をきたしてしまった方は、素直に体調不良の旨を伝えましょう。
【注意】嘘の理由は伝えないこと
退職にあたって理由を伝えるときの注意点は、あとあとになって嘘だとバレるような内容は伝えないことです。
例えば引越しの予定が無いのに「旦那の転勤についていく」と嘘をついて辞めたような場合、家の近所を歩いているところを目撃されたらバレてしまいます。
嘘がバレてしまうと元の職場にいる保育士からの印象が悪くなるだけなので、避けた方が無難です。
嘘の理由は避けるべきですが、どうしても正当な退職理由が思いつかない時は、退職後でも絶対にバレなさそうな内容にしましょう。
他のNG事項について「やってはいけない退職の切り出し方や話し方とは? 円満退職をする方法も解説」の記事でも解説しています。トラブルなく保育士を辞めたいのであれば、事前に見ておきましょう。
保育士を辞めた後の選択肢4選
保育士を辞めた後の選択肢として、以下の4つが想定されます。
- 別の保育園や施設に転職する
- 別の仕事にチャレンジする
- 保育士の資格を活かせる仕事に転職する
- 雇用形態を変えてみる
自分がどの道に進みたいのか、ここで確認しておきましょう。
1.別の保育園や施設に転職する
保育園や施設によって待遇や職場環境は異なるので、思い切って転職しましょう。事前にリサーチして、自分に合った職場を探すのがおすすめです。
評判を事前に確認していないと、ブラックな環境の職場に入ってしまうリスクが高まります。事前に口コミをチェックして、会社を探すと良いでしょう。
2.別の仕事にチャレンジする
再度、自己分析しなおして他業種にチャレンジするのも1つの手段です。自己分析し直すことで、自分の新たな可能性を切り開ける可能性があります。
保育士に固執してしまうと、自分の未来を閉ざしてしまうことになりかねません。別の選択肢をつぶさないように、自己分析を徹底して行いましょう。
3.保育士の資格を活かせる仕事に転職する
児童養護施設、ベビーシッターなど保育士の資格を活かせる仕事が他にも存在します。保育園以外でも活かせる場面は多いので、スキルをダイレクトに活用することが可能です。
保育士の資格を活かせるかどうかは、事前のリサーチも重要です。情報をしっかり集めた上で、戦略を練りましょう。
4.雇用形態を変えてみる
常勤がつらい場合におすすめの手段といえます。パートや保育補助といった職種で、負担を減らすことが可能です。
正社員にこだわりがないという場合は、特におすすめな手段です。収入が不安な場合は、副業なども行うことで不足分を補いましょう。
保育士を辞めづらい時は退職代行を利用しよう
ここまで保育士を辞める方法について解説してきましたが、それでも退職に向けての行動に踏み出せない方も多いでしょう。
辞めづらいと感じた時は退職代行の利用がおすすめです。
退職代行であればあなたに代わって上司に退職の旨を伝えてくれるので、安心して退職手続きを進められます。
あなたがやるべきことは退職届の郵送と貸与品の返却だけ。退職代行サービスの利用日の即日から保育園へ行かずに済むので、すぐに辞められます。
以下の記事で退職代行のおすすめサービスを紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。