「適応障害は退職する理由になる?」
「仕事を辞めるときはどうやって伝えたらいい?」
「適応障害であることは言いたくない…」
適応障害は、引越しや転職など生活環境が大きく変わることが原因で、不安や怒りを感じたり抑うつ気分になったりする状態であり、誰であっても発症するリスクがあります。「逃げだ」と言われることもあるかもしれませんが、歴とした病気なので仕事に行きたくなかったり退職したいと思ったりしても責められる筋合いはありません。
しかし、病気のことを隠したい、あるいは伝えるのが不安という理由からどうやって退職を伝えたらいいのかわからない方もいるでしょう。
この記事では、適応障害に苦しんでいる方に向けて以下の内容を解説します。
- 適応障害になったときの退職の伝え方
- 診断書をもらうべき理由
- 認められやすい退職理由
- 失業保険の条件
- 休職がおすすめな理由
仕事を辞めるときの伝え方がわからないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!
適応障害での退職は逃げではない!伝え方を理解して環境を変えよう
適応障害は今いる環境に馴染めず、不安を感じたり出勤したくなくなったりと、心身ともに影響を与える症状です。引越しや転職など、生活環境が大きく変わったときに発症しやすく、特定の人だけでなく誰であっても患う可能性があります。
適応障害での退職が逃げだという意見もありますが、決してそのようなことはありません。誰しも環境の変化についていけず、ストレスを感じてしまうものです。
誰に何を言われようと、大切なのは自分の身を守ることです。もう無理だと感じる前に、退職という選択肢を選ぶ方法もあります。
適応障害で辞めるのが不安な方は「適応障害で退職するのは逃げではない!辞めていい理由や過ごし方を解説」を参考にしてみてください。
適応障害になったときの退職の伝え方5選
適応障害になったときの退職の伝え方に悩んでいる方は、以下5つの方法を実践するのがおすすめです。
- 出社時に会って伝える
- 電話で伝える
- メールで伝える
- 退職届を郵送する
- 退職代行に依頼する
順番に解説するので、ご自身が利用できそうなものを活用してみてください。
1. 出社時に会って伝える
一番シンプルな方法ですが、直接自分の意思を伝えられるので、円満かつ思い残すことなく退職できます。親身に寄り添ってくれる上司であれば、あなたの感情を読み取り、最善の選択を提示してくれるでしょう。
出社時に伝える際は、忙しい時間帯はなるべく避け、あらかじめ相談内容を伝えておくのがおすすめです。他の業務に集中しており、時間を作ってもらえなかったり後回しにされたりするので、どんどん意思を伝えるのが難しくなるためです。
また、話し合いのときはなるべく二人だけの空間を選びましょう。周りを気にすることなく話せるので、後悔しなくて済みます。
ただし、飲み会や食事中に伝えると集中できず冷静にもなれないので、注意が必要です。
2. 電話で伝える
出社するのが困難な場合、電話で意思を伝えても問題ありません。なるべく直接会って話すのがよいですが、無理に動いて症状が悪化しかねないためです。
電話で伝える際は、出社できない旨を最初に伝え謝罪の言葉を入れると、上司も納得できますよ。
また、トラブルを防ぐためにも録音しておきましょう。その場でOKと言われたにもかかわらず、後から「聞いていない」と意見を変えられる可能性もあるためです。
音声が残っていれば、言い逃れはできないので退職できます。
電話で退職を伝える方法は「【例文あり】電話で会社を辞めるときの言い方は?7つの注意点も解説」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
3. メールで伝える
法律上、退職を伝える方法は定められていないので、メールを使っても問題ありません。しかし、マナー違反と思われる可能性が高いので、そこは理解しておきましょう。
また、仕事が忙しかったりメールアドレスを間違えたりすると内容を見てもらえない可能性もあるので、難しそうな場合は違う方法を実践してみてください。
メールで退職を伝える方法については「【例文あり】退職はメールで上司に切り出してもOK!注意点や起こりうる3つのリスクを解説」で詳しく解説しているので、こちらを実践するのがおすすめです。
4. 退職届を郵送する
退職を受理されなかったり話し合いの時間をとってもらえなかったりする場合は、退職届を郵送するのもひとつの手です。
事前に送付する旨を伝えておけば、書類を受け取ってもらえます。逆に、何も知らせずに急に郵送すると混乱されかねないので、注意が必要です。
また、内容証明郵便(日本郵便が中身を証明してくれるもの)を利用すれば企業側は言い逃れできません。確実に辞めたい方やトラブルを起こしたくない方は、内容証明郵便で退職届を提出するようにしましょう。
5. 退職代行に依頼する
退職代行とは、自分で仕事を辞めることを伝えられない場合に、代わりに手続きを行ってくれるサービスです。話し合いができないときでも利用できるので、適応障害の方は退職代行を使って辞めるのも選択肢のひとつです。
プロが会社と交渉してくれるので失敗する確率は低いですし、有給や未払い賃金なども請求してもらえます。
退職代行の詳細を知りたい方は「【まるわかり】退職代行とは?サービス内容やメリットデメリットを完全解説」を参考にしてみてください。
適応障害で退職する意思を伝える前に診断書をもらおう
これから適応障害を理由に退職しようと考えている方は、病院を受診した際に診断書をもらっておきましょう。
仕事を辞められないことはありませんが、会社に症状を信じてもらえるので退職しやすくなります。口頭だけで病気のことを伝えても、信ぴょう性がありませんよね。
また、公的支援を受ける場合にも、診断書の提出が求められるケースがあります。持っておいて損はないので、受け取るようにしましょう。
発行方法は簡単で、担当医師に診断書が欲しい旨を伝えるだけです。医師の判断が必要になるので、発行する理由や心身の状態を適切に話せるように考えをまとめておくのがおすすめです。
適応障害で仕事を辞めることを伝える際に使える退職理由
どのように伝えればいいのかわからない方のために、適応障害で仕事を辞める際の退職理由を2つ紹介します。
- 体調不良
- 一身上の都合
詳細を解説するので、ご自身に落とし込んで使ってみてくださいね。
1. 体調不良
倦怠感やしんどさをそのまま伝える方法です。症状が相手に伝われば辞めさせてもらえる可能性は高まりますし、理解してもらいやすいでしょう。
とはいえ、症状に理解がない人がいるのも事実なので、以下の内容をもれなく伝えるように心がけてみてください。
- 仕事に復帰するのは難しいこと
- 申し訳なさを感じていること
また、診断書があると上司も納得してくれやすいので、発行しておきましょう。
2. 一身上の都合
法律上、退職理由を会社に伝える義務はなく、一身上の都合と言えば退職可能です。
なかには、適応障害であることを隠したい方もいるでしょう。この理由を使えば病気のことはバレませんし、心配をかける必要もないので安心です。
しかし、どうして辞めるのか理由を深ぼってくる可能性も十分に考えられます。また、あなたの事情を理解していないので、引き止められることもあるでしょう。
引き止めに備えるため「退職の引き止めに遭ったときの論破方法6選!失敗したときの対策も解説」を参考に、対策を考えておくのがおすすめです。
適応障害で退職を伝えた後は条件によって失業保険を受給可能
失業保険には以下のような条件があり、一見適応障害の方は受け取れないと勘違いするケースがあります。
- 就労する意思があるにもかかわらず仕事に就けない状態である
- 離職日以前の2年間に雇用保険被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある
しかし、特定理由離職者(厚生労働省が定める正当な理由によって自己都合した方)に認定されれば、失業保険を受け取ることが可能です。特定理由離職者の方が失業保険を受け取れる条件は、以下のとおりです。
- 離職日以前の2年間に雇用保険被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある、または離職以前1年間に雇用保険被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある
- 適応障害によって業務の継続が困難になった、または新しい業務を遂行できなかった
上の条件に該当する方は、病院でもらった診断書をもとに近くのハローワークにて申請手続きに進みましょう。
適応障害になったら退職だけでなく休職も視野に入れよう
適応障害と診断された方のなかには、退職することしか頭にない方もいるでしょう。しかし、原因が明確なので、仕事から距離を置くと数ヶ月で症状が緩和するケースもあります。
いきなり退職すると転職活動や収入面で不安があり、精神的にも負担がのしかかりますよね。まずは上司に時間をとってもらい、休職できるか相談することを視野に入れましょう。仕事量を減らしてもらったり、業務を変更してもらえたりする可能性も十分に考えられます。
また、求職中は傷病手当も受けられるので、全国保健協会の公式HPを参考に手続きを進めてみてください。
適応障害になったときの退職の伝え方を理解して身体を休めよう
適応障害は、転職や新卒就職など、環境が急に変わった際に誰でも発症する可能性もある病気です。退職の伝え方には電話やメールなどいろいろな方法があるので、ご自身が実践しやすい方法を探してみてください。
また、仕事から距離を置くことで症状が緩和することもあるので、まずは休職をするのもひとつの選択です。休職からそのまま退職もできるので、まずは様子を見る意味でも身体を休めることを優先しましょう。
それでも仕事を辞めたい方は、退職代行を使うのもひとつの手です。以下の記事ではおすすめのサービスを徹底比較しているので、ぜひ参考にしてみてください。