「新卒入社してまだ日がたっていないけど、仕事が辛い」
「社会人になってすぐやめるのは、やっぱりまずいかな」
新卒入社した会社が合わないと、退職が頭によぎりますよね。しかし、周りの人たちは続けている中で、自分だけ辞めるのはまずいのではないか、という不安から、決断できない方もいるでしょう。
実は、新卒後すぐ辞めている人は多いもの。そのため、自分だけが珍しいのだと思う必要はありません。
一方で、辞める時期が早すぎることによるデメリットがあるのも事実。すぐ辞めるリスクがあるのではないかと思われ、転職に支障をきたすかもしれません。
そこでこの記事では、
- 退職して良いケース・悪いケース
- 辞めるときの注意点
といった情報をお届けします。
会社をやめるか悩んでいる方は必見の内容になるため、ぜひご覧ください。
新卒後すぐ辞めるのは珍しくない!3年以内の離職率は3割超え
新卒入社後、すぐに辞めることは決して珍しいことではありません。厚生労働省のデータによると、3年以内の離職率は約30%と言われています。
つまり、新卒で入社した人の3人に1人は3年以内に退職していることになります。さらに言えば、大卒新卒入社した人の1年以内の退職率は10〜15%で推移しています。中卒、高卒の場合は、さらに離職率は高いという調査結果です。
このような状況から、すぐに退職することが必ずしもネガティブなことではないと考えても良いでしょう。新卒ですぐ辞めるのは自分だけじゃないか、と悩む必要はありません。
新卒でもすぐやめて良いケース
新卒なのにいきなり仕事をやめるのは流石にまずいのでは、と躊躇している方もいるかもしれません。しかし、状況によってはそのまま続けるのは危険です。
ここでは、新卒すぐにでも仕事を辞めたほうが良いケースを5つ紹介します。
- 労働時間が長すぎる
- セクハラ・パワハラが横行している
- 心身の調子を崩している
- 事前に聞いていた話と労働条件が違う
- 給料が少なすぎる
あなたの心身と生活を守るほうが重要です。ここに当てはまるかもしれないと感じる方は、ぜひ続きを読んでみてください。
労働時間が長すぎる
長時間労働が常態化している状況は、健康を害するリスクが高まります。体調を崩してまで働く必要はありません。
労働時間が毎日12時間以上になってしまう場合や、休日がほとんど取れない状況が続く場合など、明らかに労働基準法の範囲を超えている場合は、辞めても良いでしょう。
なお、労働基準法では、時間外労働の上限は原則、月45時間・年360時間と定められています。明らかにこれ以上働く場合は、過労死リスクが高まるため、無理に働く必要はありません。
セクハラ・パワハラが横行している
職場でセクハラやパワハラが横行している場合も、その職場にい続ける必要はありません。自分の人格や尊厳が傷つけられるリスクがあります。
上司からの過度なプレッシャーや、同僚からの嫌がらせが続く場合、早期に抜け出しましょう。
自身が被害にあっていなくても、不快感を覚えるならば逃げることを検討してみてください。次に自分が標的になる可能性もありますし、精神的なダメージも大きくなります。
心身の調子を崩している
すでに心身の調子を崩していると感じている場合、無理すると悪化します。うつや適応障害になると寛解までには多くの時間がかかってしまうでしょう。
仕事の代わりはいますが、あなたのカラダが壊れたときに人生を変わってくれる方はいません。このような場合は、まず自分を優先することが大切です。
仕事のストレスから不眠や憂鬱な日が増えたり、体調が悪化し続けたりする場合は退職を検討しましょう。
事前に聞いていた話と労働条件が違う
入社前に聞いていた労働条件と実際の条件が違う場合、辞める理由になります。虚偽の広告・条件によって労働者を募集する行為は、職業安定法第65条8号違反です。
労働基準監督署に相談することで、是正される可能性はあります。しかし、最初は指導や是正勧告であり、翌日に急に労働条件が改善するとは考えにくいものです。
新卒の貴重な時間を考えれば、そのような企業に居続ける必要はないでしょう。なお、求人内容と異なる場合の対処法は「求人内容と違うのは違法のケースがある!対処法や安全に退職する方法を解説」で紹介しています。
給料が少なすぎる
生活費を賄えないほどの低い給料では、長期的に働くことが難しいでしょう。
家賃や食費、光熱費などの基本的な生活費が賄えない場合は、仕事をやめるか検討するのも当然です。そこまでではなくても、将来のための貯金ができない状況が続く場合は、経済的な理由から退職を検討するのも一つの選択肢です。
新卒ですぐ辞めるのは避けるべきケース
新卒ならば、もう少し今の職場にい続けたほうが良いケースもあります。具体例を5つ紹介するので、ご覧ください。
- 仕事が合わない
- 貯金がない
- 人間関係以外の不満はない
- 辞める理由を明確にできない
- やりがいを感じられない
一見辞めても良さそうに見える理由もあるかもしれません。もし疑問を持ったところがあれば、ぜひご覧ください。
仕事が合わない
仕事が合わないという理由は、とても多いです。しかし、そのまますぐに辞めるのはおすすめしません。
仕事に慣れるには時間がかかります。専門性の高い業務に携わっている場合、1年以上経過しても下積みの仕事が中心になり、その業務の面白さを理解するのが難しいケースもあります。
すぐに合わないと感じても、もう少し時間をかけて慣れてみるのがおすすめです。新卒入社後数か月では業務内容の良い面は見えてこないことも多くあります。少なくとも1年は試してみると良いでしょう。
貯金がない
貯金がない場合、すぐに辞めるのは要注意。仕事が見つからないと貯金を減らしていくしかありません。
仕事が見つからない場合、お金がないと何かを妥協せざるを得ません。急いで内定を取ることに注力した結果、今より労働条件の悪い職場を選んでしまえば本末転倒です。
そのため、退職前に十分な貯金を用意することが重要です。最低でも、3~6か月分の生活費があることを目指しましょう。
人間関係以外の不満はない
職場の人間関係がうまくいかないだけの場合、すぐに辞めるのは考えもの。転職した先の職場の人間関係が良いという保証はありません。
また、自分が部署異動したり、空気を壊す人が転勤したりすれば、状況が改善することもあります。異動希望を出すなど、自分の行動で変えられることはないか検討してみることをおすすめします。
ただし、パワハラやセクハラといったハラスメントを受けている場合は、状況によって判断しましょう。精神的に辛い場合は、無理する必要はありません。
辞める理由を明確に説明できない
退職を考えているが、はっきりとした理由がない場合は、もう少し自分の状況を見つめ直してみましょう。「なんとなく」で辞めてしまうと、次の仕事探しが難航します。
辞める理由が明確であれば、その点を避けた職場を探せば良いので、転職先選びの軸も見つけやすいはずです。具体的な理由が見つかるまで、現状を維持してみることも一つの選択です。
やりがいを感じられない
やりがいをすぐに感じられる仕事は、多くありません。ある程度続けて感謝の言葉をもらったり、信頼を積んで初めて見つけられるものです。
新しいスキルや資格を取得することで、仕事に対するモチベーションを上げることができるかもしれません。また、目標を立てて、自分の成長を実感できるよう努力することで、やりがいを感じられるようになることもあります。
このように、自分の行動次第でやりがいを感じられるようになります。自力でできることはやった上で、それでもやりがいがないならば、退職を考えると良いでしょう。
新卒がすぐ辞めるとその後はどうなる?知っておくべき注意点
新卒がすぐ辞めると、リスクがあるのも事実です。ここでは、知っておくべき注意点を3つ説明します。
- 転職では辞めた理由をほぼ聞かれる
- 貯金がないと生活に困る
- 転職先の環境が今より良いとは限らない
勢いで退職したはいいものの「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、ぜひ確認ください。
転職では辞めた理由をほぼ聞かれる
転職活動を行う際には、前職を辞めた理由をほぼ確実に聞かれます。面接官は、「採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」と不安に思うからです。
マイナビの「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」によれば、中途採用費用の平均は、316.4万円。決して安い金額ではないからこそ、採用を決めた方には長く続けてほしいと思うのは当然でしょう。
そのため、退職の理由を明確に説明できるようにしておくことが重要です。理由を説明するときはポジティブな視点からが望ましいため、伝え方も検討しておきましょう。
「新卒ならではの退職理由の伝え方!3つのポイントを押さえて円満退社」では、転職面接、今の上司それぞれに対して使える退職理由を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
貯金がないと生活に困る
すぐに次の仕事が見つからない場合、貯金がないと生活が困難になります。退職前には、少なくとも3~6か月分の生活費を用意しておきましょう。
失業給付金を期待している方もいるかもしれませんが、自己都合で退職した場合、支給までに期間が空きます。その間に転職先が決まっていなければ、貯金が減ってしまいます。
状況次第では、転職活動中にアルバイトやパートで収入を得ることも検討しましょう。
転職先の環境が今よりいいとは限らない
退職して転職先を探す際には、今より絶対良くなると信じるもの。しかし現実は、転職先の環境が今より良いとは限りません。
とくに、新卒がすぐ辞める場合、スキル不足の可能性が高いです。そのような状態では、スキルを盛った中途に比べて選ばれにくくなる可能性も高く、新卒採用時より就活が難航するリスクを考えておきましょう。状況によっては、今より条件はさがります。
また、いい転職先を見つけるには、自己分析と企業調査が不可欠です。「良い企業」の条件は個人の価値観によって変わるため、まずは自分を見つめ直すことから始めましょう。
新卒がすぐ辞めるならメリットデメリットを比較しよう
新卒がすぐ辞めるのは、メリット・デメリット両面があります。3年以内の退職率は3割程度というデータも有り、早く辞めることが必ずしも悪いわけではありません。
自分に合わない職場から早期に脱出し、新たなチャンスを探すことができる点はメリットになります。健康や人間関係に悪影響を及ぼす状況から抜け出すことができ、ストレスから抜け出せるのも、精神的にプラスになるでしょう。
一方で、新卒から時間が経っていないからこそ、視野が狭いのも事実です。
転職先でも同じ理由でやめたくなる可能性はないでしょうか?短期で転職を繰り返すと「辞めぐせがある」と捉えられる可能性もあるため、本当に辞めるかは慎重に判断するべきです。
ただし、心身に不調をきたしていたりそうなる可能性があったりするならば、早期に退職を決意しても良いでしょう。あなたの身体を守れるのは、あなた自身だけです。
もし、辞めたい気持ちは決まりつつ、上司に伝えられない状況であれば、退職代行が役立ちます。
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