「退職の本当の理由を伝えにくい」
「退職理由に嘘をついても問題ないの?」
「円満に退職できる上手な伝え方が知りたい」
そんなお悩みにお答えしていきます。
会社に退職の意向を伝えるとき、困るのが辞める理由ではないでしょうか。
不平不満を口にしても退職までの期間が気まずくなるだけだし、いっそのこと嘘をついてしまおうかと考えている方も多いはず。
結論から言うと、退職理由には嘘をついても問題ありません。
そこで、この記事では
- 退職理由を嘘をついても大丈夫な理由
- 建前を使うメリット・デメリット
- 頻繁に使われる退職理由10選
- 円満退職するための上手な伝え方
と、退職を上司にうまく伝える作法について解説していきます。
ぜひこの記事を参考に、円満に退社するための方法を模索してみてください!
退職理由は嘘をついてもOK!理由を30秒でサクッと解説
そもそも、退職する理由について事細かに会社へ伝える必要がありません。なぜなら、正確な退職理由を求める法律は存在しないからです。
退職の理由について触れられている法律は、労働基準法22条と民法627条です。
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
② 労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
③ 前二項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
1項では、退職証明書の発行にあたり、退職理由を記載する項目があると明示されています。しかし、3項の通り、労働者側が希望しなければ理由を記載してはならないとのこと。
つまり、明確な退職理由は会社に伝える必要がないと解釈できます。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
また、民法の規定においても、理由の提出は退職の要件となっていません。
どうしても何らかの理由を伝える必要があるとき、一般的には「一身上の都合」という文言が使われています。会社が合わない・もっとやりたいことが見つかった・寿退社・体調不良…などなど、さまざまな理由はこの一言で解決するので、心配する必要はないでしょう。
とはいえ、仲の良かった同僚やお世話になった上司に伝えるときは、かたくなに隠していると印象が悪いのも事実。
そこで、退職理由に嘘・建前を用意するケースが多いことを覚えておきましょう。ちなみに嘘がバレても裁く法律はないので、あまり重く受け止める必要はありませんよ。
退職理由に嘘をつく5つのメリット
「一身上の都合」だけで問題ない退職理由に、あえて嘘をつくのはどうしてなのでしょうか。
こちらでは、建前を用意する5つのメリットを紹介していきます。
- 円満退社できる
- 退職を引き留められにくい
- 職場の雰囲気が悪くならない
- 引継ぎがスムーズに行える
- 退職後の手続きがしやすい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.円満退社できる
会社に不満を持って辞めるとき、本音を伝えてしまうとトラブルになってしまうことがあります。
- 社風が好きになれない
- 上司と反りが合わない
- 正しく評価してもらえない
そんな思いが根底にあるとしても、グッと堪えるのが大人の対応。あえてポジティブな理由を用意することで、同僚から応援してもらえる人になれるでしょう。
2.退職を引き留められにくい
本当の理由を述べると引き留めに遭ってゴタゴタするケースもあります。
たとえば、本来やりたいマーケティング部になかなか配属されないから、希望を叶えられる会社に転職するというもの。「次の人事評価で進言するから」「数ヶ月後には異動させる予定で動いている」などと口車に乗せられて、退職を取りやめるよう促されることもあります。
口約束は必ずしも実行されるとは限りません。また「やるつもりだった」は言い訳の常套句です。
相手が引き留めにくい「体調のこと」「家族のこと」などを引き合いに出し、決意が揺らがないようにしましょう。
3.職場の雰囲気が悪くならない
自分は退職するとしても、同僚や上司は会社にそのまま残り続けます。わざわざ会社の良くないところを伝えて、職場環境を悪化させる必要はないでしょう。
確かに退職の開放感から、他者への配慮が足りなくなってしまうこともあるかも知れません。
しかし「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもあります。引き際を美しくするためにも、残る人のことまで考えた発言を心がけましょう。
4.引継ぎがスムーズに行える
引き継ぎは退職時のメインイベントの1つ。本当の退職理由を伝えて同僚から非難を浴びてしまうと、気まずい環境のなか後任に引き継ぎを行わなければいけません。
退職後にもグチグチ不満を言われてしまう可能性も。評判を悪くしないためにも、嘘や建前を活用するのがおすすめです。
5.退職後の手続きがしやすい
退職手続きは在職中に限りません。退職してからも退職金の支払いや雇用保険等の手続きで人事・労務部と連絡を取り合わなくてはいけないからです。
気まずいなかでコミュニケーションしたくなければ、当たり障りのない理由を伝えておいたほうが良いでしょう。
退職理由を嘘をつく3つのデメリット
退職理由に嘘をついても、法的な問題は生じません。しかし、バレてしまうと気まずくなることは避けられないので、あらかじめ注意しておく必要があるでしょう。
主なデメリットには以下3つがあります。
- 嘘を突き通さないといけない
- 不満な点を伝えたいという方にとってストレスになる
- 退職後の行動にも注意しなければならない
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.嘘を突き通さないといけない
退職を伝えて即日解職となるわけではありません。引き継ぎなどの時間を考慮して、1ヶ月くらいの余裕を見ておくのが基本となります。
そのため、バレやすい嘘をついてしまうと残りの勤務期間中にボロが出てしまうことも。嘘に嘘を重ねていくのも面倒なので、しっかり練った建前を用意するようにしましょう。
2.不満な点を伝えたいという方にとってストレスになる
特定の上司への不満が主な退職理由となるとき、ムカムカした気持ちをスカっとさせたくて本人や周囲に伝えたくなるケースもあるでしょう。
確かにやられっぱなしで、ネガティブな感情が溜まっているのもわかります。ただ、職場の環境が悪化したり引き留め理由に使われてしまったりするリスクがあるため、あまりおすすめできる方法とは言えません。
退職してしまえば関わる機会はなくなります。嘘も方便と割り切り、うまく明言をかわして衝突を避けるようにしましょう。
3.退職後の行動にも注意しなければならない
退職後、ほとぼりが冷めるまではバレる行動を自粛しましょう。たとえば、引っ越しを理由にしたのにまだ近くに住んでいたり、家族の体調不良を理由にしたのにピンピンしている姿をさらしてしまったりなどです。
もし簡単にバレる可能性が見込まれる場合は、違う嘘にしたほうが賢明でしょう。
退職理由で頻繁に使われる嘘10選
退職するにあたり、嘘や建前を用意することで円満に手続きできる可能性が高まります。
こちらでは、よく使われる退職によく使われる理由を以下10個紹介していきます。
- ライフイベントのため
- 自分の体調不良のため
- 家族の病気や介護のため
- 引っ越しのため
- やりたい仕事に転職するため
- 家業を継ぐため
- 資格取得のため
- 転職先が決まったため
- 学業が忙しいため
- 一身上の都合のため
1つひとつみていきましょう。
1.ライフイベントのため
結婚や妊娠などを退職理由に挙げるケースは多いです。言葉を選ばないとセクハラ・マタハラにあたる可能性もあるので、引き留めにくいからです。
ライフイベントを機に負担のかからない仕事に変える・実家の近くに引っ越すなど、退職の必要性を用意しておくと、さらに説得力の高い理由となるでしょう。
2.自分の体調不良のため
メンタルの不調や持病の悪化などもれっきとした退職理由になります。
会社は体の詳しいところまで知る由もないので、無理に仕事を続けることが体調の悪化につながることを強調すれば、それ以上の追及を避けられるでしょう。
「このまま会社に残ることは周囲の迷惑になる」などと、あくまで一緒に働く仲間のことを想った決断だと伝えると、当たり障りなく辞められます。
とはいえ、退職の意向を伝えるまでにあまり体調不良の予兆を見せていない場合は注意が必要。疑われると医師による診断書の提出を求められることもあるので、納得してもらえるかどうかを客観的に判断しましょう。
3.家族の病気や介護のため
親の介護・配偶者の看病などを理由に退職を伝えるケースもあります。これまで通りのスタイルで働けないため、リモートワーク・在宅勤務など融通の効く働き方ができる会社に変えるというのは筋が通った理由です。
とはいえ、方便として病気を使う場合は注意が必要。遊び回っている姿がみられてしまうと、嘘がバレてしまいます。
退職してから数ヶ月くらいは不用意な行動を自制するようにしましょう。
4.やりたい仕事に転職するため
やりたい仕事を理由にする場合は引き留めに合わないように注意しましょう。なぜなら、部署の異動を提案される可能性があるからです。
仕事のジャンル・職種・自分の目標などから新しい会社じゃないとNGな理由をいくつか持っておくと良いでしょう。
5.転職先が決まったため
転職先が決まったとストレートに伝えるとき、もう一歩踏み込んだ理由が必要になる場合があります。
- 業界を変えて自分の知見を広げたい
- 新たなスキルを身につけたい
- 副業で得た経験を発揮できる場所を見つけた
など、挑戦心・意欲を前面に押し出すのが重要です。後ろ向きな言葉は、残された人たちを不安にさせたり不快感を与えてしまったりするので十分に注意しましょう。
6.資格取得のため
ステップアップの先に難関資格の取得が待っている場合は、勉強時間の確保を理由にするのも良いでしょう。
たとえば事業会社の経理の方が税理士や公認会計士といった国家資格を目指すとき、会社を辞める決断をするケースが多いです。なぜなら、仕事終わりの時間だけでは足りないほどの膨大な試験範囲が課せられたり、ライバルは勉強にたっぷり時間を使える学生だったりするからです。
世間話のなかで関連する話題を取り上げたり、資格の詳しい情報をリサーチしておいたりすることで、発言の信憑性を高めましょう。
7.引っ越しのため
旦那の転勤に合わせて引っ越す・親の体調が優れないので実家の近くに引っ越すなど、引っ越しは他の理由と絡めて使われます。
とはいえ、嘘として使うには少々リスクが高いかも知れません。なぜなら、退職後、同僚とばったり会ってしまったときに言い訳が効かなくなってしまうからです。
もしうまく追及をかわせるのであれば、退職理由としても十分活用できます。
8.家業を継ぐため
実家が自営業と知られていれば「家業を手伝う」「会社を継ぐ」などの嘘の信憑性はかなり高まるでしょう。両親の体調や実家付近への引っ越しを絡めることで、さらに引き留めリスクを軽減できます。
とはいえ、業種や細かいプロフィールを問い詰められたくなければ、あまり積極的に口走らない方が無難でしょう。
9.学業が忙しいため
学生がアルバイト・インターンシップを辞めようというときは「年度が変わって授業が忙しくなる」「ゼミ・研究室が始まって時間が確保できない」などが退職理由になりうるでしょう。
「学生の本分は勉強」という考え方は一般的に根付いているので、無理な引き留めもなく辞められるはず。とはいえ、バイト先にも後任を採用するまでの時間が必要なので、早め早めに通知しておくようにしましょう。
10.一身上の都合のため
会社に伝える退職理由は「一身上の理由」で問題ありません。嘘を突き通すのが面倒だったり、他の理由を言うことに無理があったりする場合は、明言を避けるのも1つの手でしょう。
とはいえ、隠されると知りたくなるのが人間の性質というもの。ちょうどよい理由を用意しておいたほうが、追及を免れたり退職後の活動を応援してもらえたりというメリットがありますよ。
円満退職するための退職理由の上手な伝え方
退職に使う理由が固まったら、実際に会社に伝えましょう。
ここでは、トラブルになりにくい通知のポイントを3つ紹介していきます。
- 直属の上司に伝える
- 勤務先を否定しない
- 相手の目を見て話す
ぜひ参考にしてみてください。
1.直属の上司に伝える
退職の意向は、直属の上司に伝えるのが原則。役職を飛び越えたり人事・労務部に先に伝えたりすると、面倒な揉め事が起こりやすいので注意が必要です。
退職希望日の3ヶ月前〜1ヶ月前ごろまでに伝えれば、引き継ぎ期間を十分に確保できるでしょう。
2.勤務先を否定しない
円満に退職したいなら、会社に対する不平不満を口にすることは避けましょう。具体的な内容を伝えると「改善するので残ってくれないか」という引き留めの理由になってしまうこともあります。
残された人のことを考え、跡を濁さず会社を去るのがマナー。気心の知れた人だけが本当の理由を知っていればOKと割り切りましょう。
3.相手の目を見て話す
退職を伝えるとき、曖昧な態度は絶対にNGです。相手に引き留めるスキを見せてしまったり、うまくはぐらかされてしまったりすることも。
本気度が伝わるように自信を持って伝えることが重要です。
退職理由の嘘がバレてしまったら?退職代行の利用も検討
退職理由の嘘がバレるパターンは以下のとおり。
- 飲み会での不用意な発言
- SNSの投稿
- つじつまが合わない行動
うまく嘘が突き通せず気まずくなってしまった場合は、退職代行の利用も検討しましょう。
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