「20代だけど次を決めずに退職するのは危険?」
「次の転職先が決まっていないので辞めたくても辞められない」
「次を決めずに退職したらどんなデメリットがあるの?」
と悩んでいませんか?
一般的に、次の転職先が決まってから今の会社を退職するのが安全な方法といわれています。 しかし、労働時間が長い会社で働いていると転職活動をする時間が取れません。
また、次の会社が決まる前に早く辞めたいと考えている方もいるでしょう。 そこでこの記事では以下の内容について詳しく解説します。
- 20代なら次を決めずに辞めても問題ない理由
- 次を決めずに辞めるメリットやデメリット
- 辞めた後にやるべきこと
この記事を読めば、次の会社が決まっていない状況で退職する不安が軽減されます。 早く辞めたいと考えている方は、ぜひ、参考にしてみてください。
20代の6人に1人は転職経験がある
厚生労働省が発表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、転職入職率は以下のような結果となりました。
20歳〜24歳の転職入職率 | 25歳〜29歳転職入職率 | |
男性 | 15.3% | 11.5% |
女性 | 12.9% | 13.3% |
出典:厚生労働省
このデータから、20代の6人に1人は転職経験があることがわかります。 したがって、20代であっても転職するのは珍しくありません。
とはいえ、次が決まっていない状態での転職には不安を感じる方も多いでしょう。
20代なら次を決めずに退職しても大丈夫な理由
20代なら次を決めずに退職しても大きな問題にはならないケースがほとんどでしょう。 30代以降の方と比べて、以下の4つの理由があるからです。
- 20代ならポテンシャルを重視してくれるから
- 実力をつけられる貴重な時期だから
- 自分を見つめ直すきっかけになるから
- 無理して体調を崩すと回復に時間がかかるから
それぞれの理由について順番に解説します。
1.20代ならポテンシャルを重視してくれるから
定年が65歳である点を考えれば、20代はまだまだ社会人経験も豊富ではありません。 よって、経験や実績だけでなく、ポテンシャルを重視した採用を行う企業も多くあります。
つまり、今のスキルや経験よりも、今後会社に貢献してくれる潜在能力があるかを見極められます。 退職する時点で次の転職先が決まっていなくても、特に問題ないでしょう。
2.実力をつけられる貴重な時期だから
20代はさまざまな経験を積み、実力をつけていく時期です。今の企業で成長が見込めないならば、早めに転職したほうが活躍できるビジネスパーソンになれる確率が高まります。
反対に、今の会社に固執していると、着実に力をつける同年代とどんどん差が広がってしまうでしょう。周りとの差が小さいうちにより成長できる環境に身を移す方が、長い社会人生活を考えればプラスになります。
成長を感じられない企業ならば、早めに転職してしまうのがおすすめです。
3.自分を見つめ直すきっかけになるから
現在の会社に新卒で入った場合は初めての体験が多くて、精神・体力的に疲れている方もいるでしょう。 また、残業が長く休日出勤も多い会社であれば、ゆっくり将来について考える余裕もありません。
しかし、20代の今なら退職をきっかけに現在の自分を見つめ直せるチャンスです。 その結果、現在とはまったく異なる業種や職種へ転職できる可能性もあります。20代であれば、挑戦できるチャンスは少なくありません。
4.無理して体調を崩すと回復に時間がかかるから
ブラック企業で心身を疲弊している場合も、今すぐ辞めるべきです。 一度身体を壊してしまえば、回復には時間がかかります。体に異常をきたせば、今まで通り働けなくなるかもしれません。
精神疾患に陥れば、寛解までに数年の月日を必要とすることも多いです。 次を決めずに退職することで、仕事がない期間が生まれるかもしれません。
しかし、無理に仕事を続けて身体を壊せば、さらに多くの期間働けなくなるリスクがあります。 将来、長く働けずに苦しむくらいなら、今辞めてしまったほうがトータルでメリットが大きいでしょう。
体調不良が原因で退職する場合の手順や注意点については「体調不良で欠勤または休職中にそのまま退職は可能!会社を辞める5ステップや注意点を徹底解説」にて解説しています。体調不良やストレスで休みがちになっている方は、参考にしてみてください!
20代が次を決めずに退職するメリット
20代の方は、ほかの年代よりも次を決めずに退職するメリットがたくさんあります。
- 本当にやりたいことを見つけられる
- ストレスから解放される
- 心機一転別業種や職種に挑戦できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.本当にやりたいことを見つけられる
次を決めずに退職した結果、本当にやりたいことを見つけられる可能性があります。 社会人になると、働きながらゆっくりやりたいことを見つける時間はあまりありません。
次を決めていなくても退職することで、これまでの考えや行動を見直すきっかけになるので、本当にやりたいことを見つける余裕ができます。
現在の会社に不満がある方や理由がわからないけどやる気が出なくて悩んでいる方は、退職を検討してみると良いかもしれません。
2.ストレスから解放される
仕事では以下のようにストレスを抱えるケースは多くあります。
- 顧客対応に苦労している
- 上司との関係が上手くいっていない
- 成果が出ない
- 残業や休日出勤が多い
これらのデメリットを受け入れて働いている場合、相当なストレスがかかります。 しかし、退職をすれば、これらのストレスから解放されるでしょう。
転職をしても同様のストレスを抱える可能性はありますが、現在の会社がブラック企業のケースも珍しくありません。 ストレスから解放されるだけでも十分メリットはあるでしょう。
ストレスで仕事を辞めたい場合の対処法については「【逃げてもOK】ストレスで仕事を辞めたい!対処法や安全な退職方法を解説」にて解説しています。ストレスから解放されたい方は、参考にしてみてください!
3.心機一転別業種や職種に挑戦できる
20代の場合、過去の経験よりもポテンシャルを重視して採用してもらえる可能性が高いです。よって、いまの業種や職種が合わないならば、早めに転職することをおすすめします。
30代以降になると、即戦力を求められ、実務経験の有無や今までやってきた内容がより重視されるようになります。その結果、未経験での採用は難しくなるでしょう。
もし、仕事をしてみて今の内容がイメージと違い合わないと思った場合は、20代のうちにキャリアチェンジしてみてはどうでしょうか?
20代が次を決めずに退職するデメリット
次を決めずに退職するのが難しいと考えているなら、以下のデメリットが原因ではないでしょうか?
- 貯金がなくなる
- 働く意欲を失うことがある
- 離職期間が長いと再就職に苦労する
しかし、今退職することによるリスクを把握しなければ、辞めた後に焦ってしまい今より悪い状態に陥る可能性もあります。 デメリットについて、順番に見ていきましょう。
1.貯金がなくなる
仕事をしない期間は、貯金を切り崩して生活しなければなりません。働いてそれほど期間が経っていない場合、蓄えが十分でない方もいるのではないでしょうか?
お金の余裕がなくなると焦りが生まれ、精神的に追い詰められてしまう方もいます。結果として、今より条件の悪い企業への再就職を強いられるならば、今回の退職を後悔してしまうでしょう。
資金面の問題はシビアです。退職後のお金をどうするのか、アルバイトなどで収入を補填することも含めて予め考えておく必要があります。
特に、奨学金やローンの返済がある方は、しっかりと準備しておいたほうが良いでしょう。
2.働く意欲を失うことがある
退職をすると、今までのストレスから解放され、のんびりと過ごせるようになります。 再び働くための準備として一時的に休むのは、無駄な時間とはなりません。
しかし、そのままだらけてしまい、長期間ずっと無職になる方もいます。 会社をやめる場合は、次の活動を始める時期を決めておき、後は思いっきり休むのがコツです。
メリハリを付けて休職期間を過ごすようにしましょう。
3.離職期間が長いと再就職に苦労する
転職先が決まらなければ、職歴に空白ができます。退職後すぐに転職活動を始めない場合は、空白期間に何をしていたのか説明できるようにしておきましょう。
一般にブランクが3ヶ月以上になる場合は、理由を聞かれる可能性が高まります。アルバイトや勉強を含め、今後のためにポジティブな行動をしていれば、不安をもつ必要はありません。正直に答えれば良いです。
一方で、ダラダラ過ごしているうちに時間が過ぎてしまった場合は、マイナスの印象につながるので要注意。一度思い切り休みたい場合は、空白期間が3ヶ月を超えないように意識すると良いでしょう。
20代が次を決めずに退職する前にやるべきこと
次の転職先を決めずに退職する場合、事前に以下のことをしておきましょう。
- 当面の生活費を確保しておく
- 失業手当の受給条件を確認する
- 国民年金の免除を検討する
- 国民健康保険への切り替え手続きを行う
- クレジットカードを作っておく
- 友人の話を聞いておく
- 転職エージェントにも相談する
それぞれの点について詳しく解説します。
1.当面の生活費を確保しておく
退職した後に困らないために、当面の生活費を確保しておきましょう。 アルバイトを始めるとしても、仕事を探し、最初の給料がもらえるまでには時間がかかります。
その間に生活費が尽きてしまえば、精神的につらくなります。 すぐに転職活動を始める場合でも、3ヶ月程度の生活費を用意したいところです。
貯金が尽きてしまうと、とりあえず仕事を決めなくてはと焦り、今より悪い条件のところに就職せざるを得なくなります。 今より良い条件や環境の会社を見極めるためにも、お金の工面をしておくことが大切です。
2.失業手当の受給条件を確認する
退職後に、失業手当をもらってしのごうと考えている方もいるかもしれません。
しかし、失業手当の受給には条件があり、それを満たさなければもらえないので要注意です。 要件を簡単にまとめると以下の通り。
- 離職前2年間の間に雇用保険に12ヶ月以上加入していること
- いつでも就職できる能力があること
- 積極的に就職する意思があること
雇用保険の加入期間が12ヶ月未満の場合、失業手当は原則受け取ることができません。つまり、新卒1年目で辞める場合は、ほぼ受給資格がないということです。
病気ですぐに働けない方や、仕事を探さずに時間を過ごしたい方も対象外です。 また、自分から退職した場合、辞めてすぐに手当を受け取れるわけではありません。
最初の給付までには2〜3ヶ月かかるので、備えが必要です。 失業手当の受給を考えている場合は、受給できる金額に加えて、そもそも資格があるのか、いつからもらえるのかも確認しておきましょう。
3.国民年金の免除を検討する
退職後も国民年金は支払い続ける必要があります。退職前は厚生年金を会社と折半で年金を支払っていましたが、退職後から転職するまでの期間は、国民年金に切り替えた上で自分が全額を支払わなければなりません。
令和5年度の国民年金保険料は、1ヶ月あたり16,520円です。 退職後に保険料を支払うのが難しい場合は、役所で国民年金保険料の免除手続きを行いましょう。
国民年金の免除には以下の種類があり、それぞれの収入要件を下回る必要があります。
免除額の割合 | 収入要件 |
---|---|
全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の2免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
出典:日本年金機構 また、免除が難しくても納付猶予制度を利用できることもあります。
4.国民健康保険への切り替え手続きを行う
退職をすると社会保険の加入要件から外れるため、役所で国民健康保険への切り替え手続きを行わなければなりません。 雇用保険の離職票を持って手続きをしましょう。
一般的に、国民健康保険は社会保険よりも保険料が高いので、負担は重くなります。 早めに転職を成功させられるように頑張る必要があります。
5.クレジットカードを作っておく
クレジットカードは、安定した収入がなければ作れません。そのため、退職後に申し込んでも審査落ちになることがほとんど。退職前に作っておくことをおすすめします。
もし早めに転職できた場合でも勤続期間がリセットされてしまうので、限度額を低めにされたり、審査に落とされたりすることもあるでしょう。 有利な条件でカードを作るならば、退職前に手続きしておいてください。
6. 友人の話を聞いておく
退職前に、他社で働く友人と話しておくと良いでしょう。学生時代からの知人ならば、あなた自身も気づいていない強みをアドバイスしてくれることもあるからです。
また、友人と話すことで、今の会社が辞めるべきところか判断する指標にもなります。社会人歴の短い20代の場合、自社の評価が客観的にできていないことも。辞めて転職活動をしてみたら、前職が恵まれていたことに気づいたというのでは、後の祭りです。
友人と話すことで、自分の会社の良し悪しを客観的に判断しやすくなります。また、次の仕事を探すヒントを得られることもあるため、ぜひ退職を切り出す前に会話してみてください。
7.転職エージェントにも相談する
次を決めずに退職したら転職先を見つけるのに苦労すると考える方もいるでしょう。 転職できるか不安な場合は、退職する前から転職エージェントに、現在の転職市場の状況や求人を紹介してもらえそうか相談しておくと良いかもしれません。
選考対策や転職先との調整など次の会社へ入社するためのサポートもしてもらえます。 1人での転職が不安な方は利用を検討してみましょう。
20代なら次を決めずに退職しても問題ない!
20代であれば、次を決めずに退職しても大きな問題にはなりません。むしろ、年齢が高くなってから転職しようとすると求められる条件も厳しくなるので、紹介できる求人が減る可能性があります。
また、現在働いている会社に不満がある方や将来に不安がある方は、20代のうちに退職をおすすめします。 なお、上司に退職の意思を伝えても了承してもらえない場合は、退職代行の利用を検討しましょう。
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おすすめの退職代行を知りたい方は「【2021年版】退職代行おすすめランキング15選!30社リサーチした結果と見るべきポイントも解説」を、参考にしてみてください。