「適応障害と診断された…どうしたら良いの?」
「仕事を辞めたら、治った後に後悔するかな?」
「適応障害と診断されるほど追い込まれている!退職してやる!」
と苦しんでいませんか。
結論から言うと、適応障害になる程追い込まれているのであれば退職しても問題ありません。あなたの健康が何よりも大切だからです。健康であり働く意欲があれば、必ず転職先は見つかります。
しかし、今の状態だと冷静に判断できない場合もあります。後悔しないためにも、休職して心に余裕が出てから、今後のことを考えても遅くはありません。
この記事では、
- 適応障害になった理由別の対処法
- 退職しても良い理由
- 後悔しないために退職する方法
などを分かりやすく紹介します。何よりも休んで回復させることを優先してくださいね。
もうあなたは、十分すぎるほどがんばっています。適応障害は病気で、それを理由に退職することは決して逃げではありません。
【当てはまったら注意】適応障害について30秒で説明
自分が心の病気って判断されたら怖いですよね。周りの人に変な目で見られるかもと、病院に行けずに悩んでいる人も多いです。
もしかしたら、適応障害かもと悩んでいるあなたのために、簡単に説明します。適応障害とは、特定の出来事によるストレスがきっかけで発症する病気です。そのため、原因の特定が難しくありません。
主な症状は、いかのとおりです。
- 抑うつ
- 意欲の低下
- 涙もろくなる
- ゆうつ
- 不眠
- 食欲不信
- めまい
- 頭痛
- 肩こり
- 倦怠感
- 暴飲暴食
- 攻撃的になる
- 無断欠勤
鬱病と症状は似ていますが、発症の原因から離れることによって多くの場合は快方に向かいます。また、会社では鬱状態なのに、プライベートでは症状が一切出ない人も。
そのため、原因となるストレスに適切な対処を行わない限り、治りません。最悪の場合は、症状が悪化したり長引いたりします。
【退職で後悔しないために】適応障害と診断されたらまずは休職
仕事は、正直いつでも辞められます。そのため、適応障害と診断されたら休職がおすすめです。
理由は、
- 傷病手当
- 休職中も給与の一部
が支払われる可能性があるからです。会社の福利厚生を確認してみてくださいね。体調が悪い状態で仕事を辞めると、転職活動に集中するのが難しいです。
ちなみに、休職するには医師による診断書が必要です。回復してから退職するかどうかを決めても良いでしょう。
適応障害で退職して後悔しないためにしたい5つのポイント
適応障害で退職をして後悔しないためには、主に以下5つを意識してみてください。
- 休職の延長を依頼する
- 異動届を提出する
- 人間関係を見直す
- 経済状況を考える
- かかりつけ医や産業医の意見を聞く
場合によっては、仕事を辞めずに問題を解決できるかもしれません。「退職しなきゃ良かった」と後悔しないためにも、ぜひ確認しておきましょう。
1.休職の延長を依頼する
まだ十分に回復していないと感じるのであれば、休職の延長をしましょう。医師が休職が必要だと診断した場合のみ、会社の定める休職期間内であれば休職期間を延ばせます。
十分に回復していない状態で職場復帰しても、再発したり悪化させたりするリスクを高めるだけです。
頑張って復職しようとしないでください。今必要なのは、休養です。
2.異動届を提出する
部署を異動するのも、1つの手段です。
ただ、異動申請が受け入れてもらえるかはわかりません。また、部署異動は決まったときにしかできず、ほとんどの会社が年2回ほどとなっています。
ストレスが限界な人は、今すぐにでも職場環境を変えたいのが本音ですよね。そのため、定期的に行われない人事異動は、待たなければいけないというデメリットがあります。
3.人間関係を見直す
適応障害の原因が人間関係なら、できるだけその人と関わらないのも1つの方法です。
たとえば「取引先のAさんとはあわないので変えて欲しい」と依頼するなどです。また、同僚や先輩など社内の人が原因なら、できるだけ関わらないようにしましょう。
4.経済状況を考える
退職するとなると、今までどおりお金が入ってくるわけではありません。そのため「貯金がいくらあるのか」「働かないでも大丈夫か」などを事前に考えておきましょう。
なお、家族がいる場合は、退職前に相談することをおすすめします。
経済面での懸念点ついては、本記事中の「適応障害で退職したいがお金が心配で辞められないときの解決策5選」にて解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
5.かかりつけ医や産業医の意見を聞く
大切なのは、適応障害だと判断してもらうことです。医師の診断を受け、どうするべきなのか意見を聞きましょう。
適応障害の診断書があることで、休職や退職がしやすくなります。特に、傷病手当を申請する際には診断書の提出が求められます。
【退職したくない】適応障害になった理由別の対処法5選
仕事が原因で適応障害になっても、治ったら会社に復帰したいと思っている人もいますよね。繰り返しになりますが、適応障害になるには明らかなストレス要因があります。
それを排除しない限り、繰り返してしまいます。そうならないためにも、適応障害になる原因別に対処法を5つ紹介します。
- 仕事量が多い
- 人間関係に悩んでいる
- ハラスメントを受けている
- 仕事内容が合わない
- 今いる部署の全てが合わない
1つずつ詳しく確認していきましょう。
1.仕事量が多い
仕事量の多さが原因であれば、減らすことで改善が期待できます。どんなにやりがいのある仕事でも、キャパオーバーが続いていたら疲れてしまいます。
長時間労働や休日出勤が当たり前になっている人は、「本当に自分しかできない仕事なのか」と1度立ち止まって考えてみてください。あなたができる仕事量には限界があります。
休職後は、仕事量を減らしてくれるでしょう。しかし、徐々に仕事量が増える可能性も。その結果、適応障害が再発してしまうことも。
難しいですが自分を守るために、上司に相談したり断ったりできるようになりましょう。
2.人間関係に悩んでいる
人間関係に悩んで、適応障害になる人もいます。厚生労働省の平成30年若年者雇用実態調査の概況によると、退職理由の26.9%が「人間関係が良くなかったから」です。
1日の大半を過ごす職場の人間関係がよくないと、ストレスを感じてしまいます。
難しいかもしれませんが、適応障害になるほどストレスを感じる相手とは距離をおくようにしましょう。
たとえば、
- 同僚の〇〇さんとは合わないので、同じチームで仕事ができない
- 取引先の〇〇さんから無理難題を言われすぎてストレスを感じている。担当を外してほしい
- 部署内の人と合わない。部署異動をさせてほしい
など、要求を伝えるようにしましょう。上司は、気づいていないかもしれません。伝えるのは大変ですが、自分を再び苦しめないためにもストレス要因になる人とは距離を置くようにしましょう。
どうしても距離を置けないのであれば、転職も考えてくださいね。
3.ハラスメントを受けている
パワハラやモラハラなどのハラスメントによって、適応障害になってしまうことも多いです。人によっては、自分が被害を直接受けていなくてもハラスメントの存在を認知することによりストレスが溜まって発症することも。
上司によって行われている場合は、周囲も黙認していることが多いので改善が難しいです。
人事やより上の上司に相談してみましょう。証拠を集めて、
4.仕事内容が合わない
性格に合わない仕事を続けると、ストレスで疲れてしまいます。
- 人と話すほうが得意なのに社内の資料作成ばかり
- 人見知りなのに初対面の人と話す機会が多い
- 熟考するのが得意なのにとっさの判断ばかりが重視される
など、自分の得意なことと実際の業務内容にギャップがあれば、常に緊張した環境に置かれてしまうでしょう。
その結果、適応障害になることも。上司に自分の得意なことをアピールし、業務内容を相談してみましょう。
5.今いる部署の全てが合わない
仕事内容、人間関係など今いる部署の全てが合わないのであれば、違う部署への異動を申請しましょう。
部署異動が叶えば、仕事内容や人間関係をリセットできます。そのため、心機一転して仕事に臨めます。
ただし、希望する部署に異動できるとは限りません。また、新しく覚えることが大量にあるので新たなストレスになることも。
しかし、今いる部署の全てが合わないのであれば異動しない限り、体調がよくなることはありません。今と同じストレスを受けるかもしれないし、楽しんで仕事ができる可能性もあります。異動しない限り分かりません。
今の会社を辞めたくないけど、この状態で働き続けられない人は異動を考えてくださいね。
適応障害での退職が逃げではない3つの理由
こちらでは、適応障害で退職しても良い理由を説明します。適応障害は、決して逃げでも仮病でもありません。もっと頑張らないと、と自分を追い込まないようにしてくださいね。
退職しても良い理由を主に3つ紹介します。
- 心が健康になればやり直せるから
- プライベートも犠牲になるから
- 退職はあなたの権利だから
1つずつ詳しく確認しましょう。
1.心が健康になればやり直せるから
退職をしても、心が健康になればやり直せます。今の状態で苦しみながら仕事をしても、幸せとは言えないですよね。
また、適応障害になると感情のコントロールが難しくなります。突然泣き出したり、どうしようもない不安に襲われたりと苦しいです。
その状態で仕事を続けても、症状は治りません。最悪の場合は、悪化してしまいます。心を壊してまで仕事を続ける必要は、一切ありません。
仕事を辞めて1度全てをリセットして、心の健康を取り戻して新たな職場で頑張るのも1つの手段です。何よりもあなたを優先させてくださいね。
2.プライベートも犠牲になるから
責任のあるポジションになると休日でも会社から連絡が入ることもあります。その結果、プライベートの時間が無くなります。
職種やポジションによっては終業後や休日でも、社用携帯を持ち歩かなければいけません。いつ呼び出しがあるか分からないので、常に心が休まらないです。その結果、適応障害になるケースが少なくありません。
たとえば、仕事のために以下のことを犠牲にしている人は多いです
- 友人や家族と過ごす時間
- 子育て
- 家事
- 勉強
- 趣味
- 睡眠
時間を戻すことはできません。プライベートの時間が全くないと感じているのであれば、すぐに改善した方が良いでしょう。
3.退職はあなたの権利だから
退職はあなたの権利です。基本的に、退職の意思を伝えてから2週間で会社は辞められます。民法第627条第1項、つまり法律で決まっています。
つまり、退職をするのに会社からの許可は必要ないのです。法的に、会社はあなたの退職を拒否できません。たとえ就業規則で6ヶ月前に退職の旨を申告するように言われても、優先されるのは法律なので2週間で辞めても問題はありません。
ただし、契約社員や派遣社員など働く期間が決まっている人は当てはまりません。期間が終了するまで、やむを得ない理由がない限り働き続ける必要があるので要注意です。
「後々問題になりたくない」という人は、退職のプロである退職代行サービスや労務に詳しい弁護士にまずは相談してみましょう。
適応障害で退職したいがお金が心配で辞められないときの解決策5選
いつ回復するか分からないから、お金が心配と言う人も多いですよね。限界だけど、養わなければいけない家族もいると頑張りすぎてしまう人もいます。
そこで、対処法を3つ紹介します。
- 失業手当・失業保険を受給する
- 退職前に固定費を見直す
- 可能なら退職金が出るまで働く
- 退職前に転職活動をする
- 働き方を変えてみる
それぞれ順番に説明します。
1.失業手当・失業保険を受給する
働いていた期間がある程度長ければ、仕事を辞めた後に失業手当を受給できます。失業手当は、雇用保険を納めていた人を対象に、ハローワークから支給されるお金です。
具体的には、次の条件満たすことで賃金の50〜80%程度を原則1年間受け取れます。
- 退職前の2年間のうち雇用保険を12ヶ月以上納めていたこと
- ハローワークで休職の手続きをしていること
- 失業状態であること
「失業状態」という条件は、再就職して働く意志や能力があることを指します。そのため、働く気がない状態では、失業手当を受給できないので注意しましょう。
2.退職前に固定費を見直す
退職後の生活を見据えて、仕事を辞める前に固定費を見直しておきましょう。
- 家賃の安い物件に引っ越す
- 電力会社の乗り換えを検討する
- 不必要なサブスクリプションを解約する
などの方法で、月々かかるお金を節約できます。退職してお金や社会的な信用がなくなってからでは手続きできないこともあるので、早めに行動してくださいね。
3.可能なら退職金が出るまで働く
退職金は、定年まで働かなくても受け取れるケースがあります。早ければ勤続年数3年以上で受け取れます。
ただし退職金の支給に関して、法律で統一されているわけではありません。
企業によっては退職金制度そのものが存在しなかったり、わずかな金額しかもらえなかったりする場合があるので注意してください。
退職金については就業規則に書かれているので、調べておきましょう。
4.退職前に転職活動をする
転職先が決まったあとに仕事を辞めれば、給料が途切れることがありません。そのため、経済面で不安を感じる方は、退職前に転職活動を始めましょう。
「仕事が忙しくて転職活動ができそうにない」という方は、転職エージェントの活用がおすすめです。あなたの希望を聞いて求人を見つけてくれるため、時間がない方でも活動を進められます。
5.働き方を変えてみる
適応障害で仕事を辞めたい場合は、働き方を変えてみるのも方法の1つです。正社員よりは収入が減るかもしれませんが、経済面の不安は抑えられます。
たとえば、パート・アルバイトは、正社員よりも責任が軽めです。そのため、ストレスもかかりにくい傾向にあります。
また、フリーランスや業務委託という働き方もあります。報酬は自分次第ですが、仕事をコントロールしやすいのがメリットです。
適応障害で退職した後の後悔しない過ごし方3選
適応障害で退職した後は、主に以下3つの過ごし方があります。
- とにかく休む
- 復職の準備を始める
- 適応障害になった原因を考える
ぜひ参考にしてみてください。
1.とにかく休む
適応障害は心の病気です。そのため、まずは回復させることを第一に考えましょう。
治療に専念し、規則正しい生活をしたり、散歩やランニングなどの運動を始めたりするのが好ましいです。リフレッシュのために、趣味を作ってみるのもよい方法です。
2.復職の準備を始める
心に余裕が出てきたら、復職の準備を始めましょう。主に、転職活動をしたり、資格取得の準備をしたりするなどがおすすめです。
とはいえ、無理をするのは好ましくありません。治療を第一に考え、症状がよくなってきたときにおこないましょう。
3.適応障害になった原因を考える
適応障害は、再発する可能性がある心の病です。同じことを繰り返さないため、発症した原因を考えてみてください。
原因がわかれば、再発するリスクを低くできます。また、仕事選びにも関わってくるでしょう。
【頑張らなくて良い】適応障害でつらいなら退職しても大丈夫
適応障害でつらいなら、退職しても良いです。もう十分すぎるほどあなたは頑張っています。
今の状態で退職するのは、後悔するかもしれません。しかし、今のあなたにとってベストの選択ならそれが正解です。他のことを考えられないほど、仕事のストレスで追い込まれているのであれば退職しましょう。
自分で辞める旨を伝えられないなら、退職代行サービスを利用しても良いです。とにかく、少しでも自分がラクできる選択をしてあげてくださいね。
可能であれば、休職して様子を見るのも1つの手段です。
とにかく、未来のことは考えないで今は心を治すことに集中しましょう。