「仕事を辞めたいけどお金のことが不安で退職に踏み切れない」
「会社を辞めたら失業手当を受け取れるの?」
「お金がないけど仕事を辞めても大丈夫かな?」
このようなお悩みを抱えていませんか?
仕事を辞めたいけど、金銭的不安がありなかなか決断できない方も多いのではないでしょうか。できるだけすぐに退職したいものの、収入が途絶えてしまうのは怖いですよね。
そこでこの記事では、金銭的な不安を抱えている人に向けて
- 退職したあとにもらえるお金
- 具体的な手続き
- 不安をなくすための対処法
などを解説します。
無理して仕事を続けることで、体や心に悪影響を及ぼす可能性があります。退職後に支給されるお金を知り、嫌な仕事からはできるだけ早くおさらばしましょう。
【大前提】お金より大事なのはあなたの健康
大前提として、お金がなくても仕事は辞めても大丈夫です。なぜなら、体や心の健康が第一だからです。
心身ともに過度の負担がかかる仕事を無理に続けてしまうと、いつか限界を迎えてしまいます。結果、仕事ができない状況におちいることも考えられるでしょう。
加えて、失業したあとでも支給される手当もあります。そのため「お金がない」という理由だけで、無理に仕事を続ける必要なありません。
仕事を辞めたあとにもらえるお金10選
仕事を辞めた後に受給できるお金有名なのは、失業手当ですよね。失業保険だけでなく、今のあなたの状況によってもらえるお金が他にもあります。
仕事を辞めたあとにもらえるお金の種類は、主に以下の10点です。
- 失業手当
- 傷病手当
- 技能習得手当
- 就職促進給付
- 教育訓練給付金
- 広域求職活動費
- 移転費
- 特例一時金
- 日雇労働求職者給付金
- 退職金・積立貯金
もらえたと、後々知って後悔しないためにも順番にみていきましょう。
1.失業手当
失業手当とは、失業した人が安定した生活を送り、再就職を支援するために支給されるものです。年齢や在籍時の収入によって異なりますが、前職の月収の6~8割程度がもらえます。
受給するためには、以下の条件に当てはまる必要があります。
- 雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
- 就職の意志があり、実際に活動している
- 就職できる能力がある
特に注意したいのが「就職できる能力がある」ことです。これはすぐに働けるということを意味しており、妊娠や出産、病気などで休養が必要な場合では条件を満たせません。
また、自己都合退職か会社都合退職によって受給できる期間や総受給額が大きく異なります。パワハラなどのハラスメントで退職する場合は、会社都合退職にできるので離職票を確認しましょう。
2.傷病手当
傷病手当は、ケガや病気などが原因で仕事に就くことができない場合に支給されるお金です。
支給条件は、以下のとおりです。
- 雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
- ハローワークで求職の申込みをしたあとで15日以上求職活動ができない状態にある
似たような手当で「傷病手当金」というものがあります。
傷病手当金とは、会社に所属している人が健康保険からお金を受け取れる制度です。傷病手当との大きな違いは、もらえるタイミングが会社に在籍中か、失業中かということです。
3.技能習得手当
技能習得手当は、ハローワークや地方運輸局長の指示によって公共職業訓練などを受講することでもらえるお金です。
条件は以下のとおりです。
- 雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
- ハローワークで求職申し込みの手続きをしている
- すぐに働ける状態にある
- 求職活動をしている
技能習得手当では、以下の手当が支給されます。
支給される手当 | 概要 | 支給額 |
受講手当 | 基本手当がもらえる期間内で職業訓練を受けた日にもらえる手当 | 日額500円(上限2万円) |
通所手当 | 訓練を行う施設に通うための交通費 | 上限月額4万2,500円 |
寄宿手当 | 職業訓練受講のために家族と別居し、寄宿した際の宿代 | 月額1万700円 |
それぞれの手当を受け取るためには、ハローワークでの申請が必要です。
4.就職促進給付
就職促進給付は、1日でも早く再就職することを目的として求職者に支払われるお金です。
支給される手当や支給額は、以下のとおりです。
支給される手当 | 概要 | 支給額 |
再就職手当 | 失業手当の受給資格が決定し、早期再就職した場合にもらえる | 支給される失業手当の6~7割 |
就業手当 | 再就職手当の支給対象外の人が再就職した場合にもらえる | 勤務日数の30%×失業手当の日額 |
就業促進定着手当 | 再就職先での収入が離職前のより低い場合もえる | 離職前・再就職後の賃金や出勤日数から計算 |
常用就職支度手当 | 中高年や障害のある人が再就職した場合にもらえる | 失業手当の支給残日数の40%×失業手当日額 |
短期訓練受講費 | 1ヶ月未満の教育訓練を修了した際にもらえる | 教育訓練経費の2割 |
これらの手当は、書類や手続きに不備がなければ2週間程度で振り込まれます。短期間でまとまったお金をもらえるのがメリットです。
5.教育訓練給付金
教育訓練給付金とは、能力開発やキャリア形成をサポートし、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として支給されるお金です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されます。
給付金の対象となる教育訓練は、レベルなどに応じて以下の3つに分けられます。
教育訓練の種類 | 概要 | 支給額 |
専門実践教育訓練 | 労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練(介護福祉士、社会福祉士、看護師、美容師など) | 最大で受講費用の70% (年間上限56万円・最長4年) |
特定一般教育訓練 | 労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練(介護職員初任者研修、大型自動車第一種・第二種免許、税理士など) | 受講費用の40%(上限20万円) |
一般教育訓練 | 雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練(英語検定、簿記検定、ITパスポートなど) | 受講費用の20%(上限10万円) |
教育訓練給付の対象として指定を受けている講座は、厚生労働省が運営している「教育訓練講座検索システム」から検索できます。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
6.広域求職活動費
広域求職活動費は、ハローワークの紹介により遠隔地にある求人事業所を訪問して面接などをした際に支給されるお金です。
条件は、以下のとおりです。
- 雇用保険の受給資格者である
- 訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離が200km以上
- 訪問先の求人事業所から交通費が支給されない
主に、運賃と宿泊料の2つが支給されます。以下の表は、もらえる金額をまとめたのもです。
支給項目 | 支給額 |
運賃 | 鉄道賃:普通旅客運賃+普通急行列車料金または特別列車料金船賃:2級運賃相当額航空賃:実費車賃:1kmあたり37円 |
宿泊料 | 1泊8,700円 (一部地域は7,800円) |
これらのお金を受け取るためには、面接などを終了した翌日から10日以内に指定の書類をハローワークの雇用保険部門に提出しなければなりません。
7.移転費
移転費とは、ハローワークや特定地方公共団体、職業紹介事業者などの紹介により職業に就くため、住居所を変更する場合に支給される手当です。
条件は、以下のとおりです。
- 雇用保険の受給資格者である
- 事業所または訓練施設が以下のいずれかに該当する
1)通勤時間が往復4時間以上ある
2)交通機関の始終発の便が悪く、通勤に著しい障害がある
3)移転先の事業所・訓練施設の特殊性や事業主の要求によって移転を余儀なくされる
もらえる金額は、親族の付き添いの有無によって異なります。親族と一緒に引っ越しをする場合は7万6,000~9万5,000円、単身の場合は3万8,000~4万7,500円が支給されます。
8.特例一時金
特例一時金は、雇用保険に加入する「短期雇用特例被保険者」に対して失業手当の代わりに支給されるお金です。短期雇用特例被保険者とは、短期的・季節的な雇用をされる人を指し、夏に海の家で働く人や冬のスキー場で働く人が該当します。
特例一時金の受給資格は、以下のとおりです。
- 離職して雇用保険の被保険者に該当しない
- 就職する意志や能力はあるが、できない状況にある
- 退職日前より1年間に雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上ある
短期的・季節的な働き方をしている人は、手当をもらえるかどうか確認してみましょう。
9.日雇労働求職者給付金
日雇労働求職者給付金とは、日雇い労働している人が失業したときに支給されるお金です。日雇い労働者は、30 日以内の期間を定めて雇用される人が該当します。
もらえる金額は、日雇手帳に記載してある直近2ヶ月以内の印紙の種類によって決まります。印紙の等級と支給額の関係は、以下のとおりです。
印紙の等級 | 支給額 |
第1級 | 7,500円 |
第2級 | 6,200円 |
第3級 | 4,100円 |
受給するためにはハローワークで失業認定を受け、必要書類を提出しましょう。
10.退職金・積立貯金
会社によっては、退職金や積立貯金をもらえる場合があります。
退職金は、在籍日数や雇用形態などで支給されるかが異なります。もらえるかどうか知りたい方は、自身の勤務先の就業規則を確認してみましょう。
財形貯蓄など社内で積立貯金をしていれば、退職する際に振り込まれます。勤務先で貯金をしている方は、どのくらいお金が貯まっているのか調べてみることをおすすめします。
仕事を辞めたあとお金をもらうためにやるべきこと3選
仕事を辞めたあとにお金をもらうには、主に以下3つの手続きをする必要があります。面倒と感じるかもしれませんが、お金に余裕を持って就職活動をするためにも頑張ってください。
- 支給条件を満たすか確認する
- 必要な書類を集める
- 指定された機関で手続きをする
こちらでは、具体例として、失業手当を受け取る流れを解説します。
1.支給条件を満たすか確認する
まずは、受給しようとしている手当の条件を満たしているかどうかを確認しましょう。
例えば、失業手当の受給資格は以下のとおりです。
- 雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある
- 就職の意志があり、実際に活動している
- 就職できる能力がある
条件を満たしているか確かめるには、ハローワークの公式サイトを確認したり、実際に問い合わせてみたりすることをおすすめします。
今いっぱいいっぱいで大変かもしれませんが、退職前に確認すると良いでしょう。
2.必要な書類を集める
受給資格を満たしているなら、必要な書類を準備しましょう。
失業手当を受け取るためには、以下の書類の提出が求められます。
- 離職票
- 印鑑
- マイナンバーカード
- 身分証明書
- 縦3cm×横2.4cmの写真2枚
- 本人名義の預金通帳・キャッシュカード
書類が足りていなかった場合、支給日が遅れる恐れがあります。そのため、準備は念入りに行いましょう。運転免許証があるなら、念のために持って行くのがおすすめです。
3.指定された機関で手続きをする
必要な書類が準備できたら、指定された機関で所定の手続きを行います。ほとんどの手当がハローワークで手続きをしますが、詳しくは公的機関が運営しているサイトから確認を取りましょう。
失業手当の場合は、ハローワークで失業認定を受けてから求職活動を2回以上行うことで手当が支給されます。
仕事を辞めたあとにお金の不安をなくす5つの方法
退職後の金銭的不安をなくすには、主に以下5つの対処法があります。
- 可能であれば転職先を決めて退職する
- 有給を利用する
- 貯金を使う
- アルバイト・パートを始める
- 可能であれば親から支援を受ける
順番にみていきましょう。
1.可能であれば転職先を決めて退職する
仕事を辞めたあとのお金の不安がある人は、転職活動を並行して行いましょう。転職先が決まっていれば、収入が途絶えることはありません。
ただし、就業しながら転職活動を行うのは、難しい場合があります。例えば、深夜まで残業がある方は、面接の日程を組むのさえ困難なこともあるでしょう。
このような場合は、有給を使ったりオンライン面接をしたりして転職活動を進めていくのがおすすめです。
2.有給を利用する
有給を活用することで、お金に困らず退職できる可能性があります。特に有給を使えば、1~2ヶ月間働かないでも良い場合があるので、そこから転職活動を始めるのも良いでしょう。
有給がどのくらい残っているか確認して、余裕がありそうなら退職するのも1つの方法です。
3.貯金を使う
貯金があるのなら、使いましょう。どんどん残高が減っていくと、不安になります。ただ、焦って転職先を決めないでください。
転職先が決まれば、また貯金額を増やせます。将来の自分が安心して働けるための、投資だと思ってくださいね。
4.アルバイト・パートを始める
会社をやめたあとのお金について不安がある人は、退職してアルバイト・パートを始めるのも1つの手です。時給によっては、正社員でなくとも十分生活できる収入を得られます。
正社員よりも責任が比較的軽く、残業も少ない傾向にあります。人によっては、アルバイト・パートを始めることでストレスが減ることもあるでしょう。
収入を得る方法は、正社員でなくても可能なので、頭に入れておいてみてください。
5.可能であれば親から支援を受ける
金銭面において不安が残る人は、親に頼ることも検討してみてください。例えば、生活費の援助を受けたり、一人暮らしの人は実家に帰ったりするなどです。
ただし、親を頼りすぎて何もしないのはNGです。就職活動を始めたり、アルバイト・パートをしたりなどして、何か行動を起こすようにしましょう。
仕事を辞めたあとのお金不安をなくしサクッと退職しよう
仕事を辞めたあとは、状況によって主に以下のお金を受け取れます。
- 失業手当
- 傷病手当
- 技能習得手当
- 就職促進給付
- 教育訓練給付金
- 広域求職活動費
- 移転費
- 特例一時金
- 日雇労働求職者給付金
- 退職金・積立貯金
退職してすぐに収入面で困るわけではありません。
また、心身ともに限界を迎えそうなら、お金がなくとも仕事を辞めるべきです。無理して続けた結果、精神的にまいってしまい仕事ができない状況におちいることも考えられるためです。
「安全に、できるだけ早く会社を辞めたい」と考えている方は、退職代行サービスの利用がおすすめです。利用者の代わりに退職の意志を伝えてくれたり、手続きをしたりしてくれるため、会社を辞める際にわずらわしさを感じません。
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