「今すぐ退職したいけど、借り上げ社宅に住んでいるからやめられない」
「仕事を辞めたらすぐ家を出ないといけないのかな?」
「社宅を出るとしても、退去費用が払えない」
支出を抑えたい会社員にとって、家賃を下げられる借り上げ社宅は魅力的で、人気の福利厚生の一つ。しかし、いざ退職を考え始めたときに、家を失うリスクが怖くて会社を辞められないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
また、退去費用や家を出るまでの期間がどれくらい残されるのか不安に思う方もいるでしょう。特に、今すぐ会社を止めるために退職代行を使いたい方ならば、その不安は大きくなるはず。仕事をすぐやめられてもその瞬間に家を出されてしまうのでは、現実的な選択肢ではなくなってしまうからです。
そこでこの記事では、借り上げ社宅に住みながら退職を検討しているあなたに向けて以下の情報をお届けします。
- 借り上げ社宅がやめにくい理由
- 退職前に知っておくべきこと
- 準備すべきこと
- 退職代行を依頼するときのポイント
この記事を読めば、借り上げ社宅に住んでいたとしても退職するための方法が見えてくるはずです。今まさに仕事を辞める検討中という方は、ぜひ参考にしてください。
借り上げ社宅に住んでいると辞めにくい理由
普通の家に住んでいる人に比べて、借り上げ社宅を利用する人は辞めにくいのは事実です。これには、主に3つの理由があります。
- 次の家が見つかっていないから
- 引っ越しの準備が大変だから
- 引越し費用が足りないから
まずは順番に確認していきましょう。
1. 次の家が見つかっていないから
会社を辞めると、借り上げ社宅に住み続けられなくなることがほとんどです。借り上げ社宅は企業側が家賃を負担しているからです。
退職を決意したとしても、次の家がなかなか見つからないと、辞めるのに躊躇してしまうでしょう。今住んでいる社宅が快適だと、似た物件を探すのに苦労します。退職後は会社の補助がなくなるため、今まで負担していた金額では、まともな家に住めないというケースもあり得ます。
家がないから辞められないというのは、借り上げ社宅に住んでいる人ならではの悩みです。
2. 引っ越しの準備が大変だから
今の家に長く住んでいると、引っ越すのにも一苦労。ものが多く、荷造りするのも億劫に感じていると、煩わしさが大きいでしょう。
今あなたが仕事で心身を疲弊しているならば、引越し準備の気力が湧かないというのも十分理解できます。もし、今休職中だとしたら、自分の身の回りのことをこなすのにも精一杯で、とても引っ越しまで手が回らないですよね。
家を出ることの煩わしさが原因で退職を悩む方もいるはずです。
3. 引越し費用が足りないから
引っ越しをするのにはまとまった費用がかかります。引っ越し業者の料金のほか、新しい家への敷金礼金などが必要です。
一人暮らしの場合、引越しの総費用は40万円になります。この金額が工面できない場合、退職を踏みとどまってしまうでしょう。
借り上げ社宅住みで退職するときに知っておくべき3つの情報
借り上げ社宅を出るときに、いつまで住んでいいのか、そのまま住めないのかといった疑問が出てくる方もいるでしょう。退職して社宅を出た人に直接話を聞くのは難しく、実情がわからないのも無理はありません。
そこで、退職前に知っておくべき情報を3つ紹介します。
- 借り上げ社宅を退去するまでの猶予は1ヶ月程度
- 借り上げ社宅に退職後そのまま住むのは難しい
- 借り上げ社宅の退去費用は原則会社負担
辞めるかどうかを判断するためにも、ぜひ参考にしてください。
借り上げ社宅を退去するまでの猶予は1ヶ月程度
退職を決めたとしても、即座に借り上げ社宅を退去するケースは少ないようです。通常は、退職後1ヶ月程度の猶予期間を設けられていることが多く、その間に準備をすれば問題ありません。
社宅の扱いに関しては、社員規程によって明記されていることが多いです。まずは社宅に関するルールを確認してみてください。そして、決められた期間内に退去を完了させましょう。
借り上げ社宅に退職後そのまま住むのは難しい
借り上げ社宅の部屋は気に入っているため、そのまま住み続けたいと思っている方もいるかもしれません。しかし、同じ部屋に退職後も住み続けるのは難しいでしょう。
借り上げ社宅では、会社と管理会社が賃貸契約を結んでいます。そのため、退職後にそのまま住み続ける場合には、再度個人と管理会社で契約を結び直さなければいけません。もちろんこの時には、個人で審査を受ける必要があります。
会社と管理会社では信用があるから契約できたものの、個人とは契約できなかったということも十分あり得ます。特に、次の職場が決まっておらず、今の会社を辞めるから契約変更したいという状況では、審査には不利です。
そもそも契約変更を受け入れてもらえない可能性があり、さらに変更しても審査落ちのリスクがあることから、同じ家に住み続けるのは難しいと言えます。
借り上げ社宅の退去費用は原則会社負担
借り上げ社宅の場合、退去費用や契約を途中解約した違約金に関しては原則会社負担になります。そのため、通常の引っ越しと比べると費用は抑えられるでしょう。
ただし、フローリングの傷やタバコによるヤニ汚れなど、原状回復のためにかかった費用は個人負担になることがあります。どの程度まで会社が負担してくれるかは、社宅規定で定められている可能性が高いので、目を通しておきましょう。
費用負担の割合は在職中と退職時で異なることもあるので、しっかり確認することをおすすめします。
借り上げ社宅住みで退職するときに準備しておきたい5つのこと
現在借り上げ社宅に住んでいて、退職を検討しているのなら、事前準備が大切です。会社を辞めた結果、住居も失って居場所がなくなってしまったら次のアクションも取れません。
退職する時に準備したいことは以下の5つ。
- 社内規定の確認
- 有給の残日数の確認
- 住宅に住み続けられるかどうかの確認
- 引越し業者
- 一時的な拠点・荷物の置き場
それぞれ解説していきます。
1. 社内規定の確認
まず初めにやるべきなのは、社内規定の確認です。社宅に関する規定には、以下のような内容が入っています。
- 退職時の社宅の扱い
- 社宅に住める猶予期間
- 退職で社宅を退去するときの費用負担の割合
辞めた後から退去までに猶予があるのならば、退職を切り出す不安も和らぐはず。また、費用に関する心配もある程度解決するでしょう。
退職を現実的に考えるための最初の一歩に当たるので、まずは規則を確認しましょう。
2. 有給の残日数の確認
有給の残日数も確認しておきましょう。退職時に、有給をすべて消化してから辞められることもあります。
退職日から社宅退去日までの期間が短かったとしても、有休消化期間が長ければ準備は十分に可能です。
仮に7月末での退職を希望していたとして、有給が20日残っていたら最終出社日は6月中になるでしょう。このように、有給期間を引っ越しに当てられれば、十分に準備は進められるはずです。
3. 住宅に住み続けられるかどうかの確認
会社を辞めたとしても今の家に住み続けたいという場合は、管理会社に相談してみましょう。個人契約に切り替えられるかどうか検討してもらえることもあります。
個人契約への切り替えを許可してもらえれば、家に関する心配はなくなります。
ただし、契約の切り替えができないケースも多いことはあらかじめ理解しておきましょう。そもそも管理会社が法人契約しか希望していないこともあるからです。また、社内規定に「個人契約への変更は不可」と明記されている場合は、交渉すること自体できないので注意しましょう。
4. 引越し業者
社宅を出て行くことが決まったら、引っ越し業者を検討します。
特に繁忙期にあたる3〜4月は、なかなか予約が取れなかったり、費用が跳ね上がったりしてしまいます。早めに動くことで希望の日程を抑えやすく、業者によっては早割が効くというメリットも。退職希望が通り、退職日を上司と決めた段階で業者を探すのがおすすめです。
引っ越し業者を決めるときは、相見積もりをとって費用を交渉するのも良いでしょう。退職して貯蓄を切り崩さなければいけない時期だからこそ、しっかり準備してコストを抑える工夫をしてみてください。
5. 一時的な拠点・荷物の置き場
引っ越し先が決まらなかったり、転職先が決まってから職場のそばに住みたかったりする場合は、一時的な拠点と荷物の置き場を確保しておきましょう。
実家に帰るほか、ホテル・マンスリーマンション暮らしを選択する方もいます。これらの一時的な拠点を使う場合、家電や家具の処理方法も考えておくべきです。廃棄せず持っていきたいならば、貸倉庫を使うなどの選択肢を考えなければいけません。
引っ越し先が手狭になることも考えた上で荷物を整理し、置き場を考えておきましょう。
借り上げ社宅に住んでいても退職代行は使える!選び方の4つのポイント
「借り上げ社宅に住んでいると、家の引き渡しもあるから退職代行ですぐには辞められないだろう」と不安を持つ方もいるでしょう。しかし、退職代行で辞めることは十分に可能です。
退職を切り出してから有給を消化すれば、その間に引っ越しの準備ができます。ただし、退職代行サービスの業者選びを間違えてしまうと、トラブルになる可能性も…。
そこで、退職代行を選ぶポイントを4つ紹介します。
- 交渉可能かどうか
- 価格
- 対応の速さ
- 口コミ
ぜひ、これらの要素を比較して、業者選びをしてください。
1. 交渉可能かどうか
借り上げ社宅に住んでいる方がまず確認すべきなのが、交渉可能な業者かどうかです。社宅を退去する日にちや有休消化に関する内容は、こちらの希望を伝えた上で会社と話し合う必要があります。
しかし、交渉をできる退職代行は限られています。具体的には以下のどちらかに当てはまる場合のみ、交渉可能です。
- 労働組合が運営している
- 弁護士が運営している
契約してみたら交渉ができない業者だったという失敗がないように、必ず確認しておきましょう。
2. 価格
退職代行業者を選ぶときの重要なポイントが、料金体系の確認です。試用期間で辞めるのであれば、なるべく価格の安い業者に頼みたいですよね。
しかし、安く見えても実際は高かったとなることも。理由は、業者によってオプションの有無などが異なるためです。
退職代行業者によっては、当日対応などはプラス料金がかかることもあります。
ぱっと見の値段で決めずに、料金体系を確認しておくと良いでしょう。LINEやメールで無料相談を行っているので、オプションの有無を質問するようにしてください。
3. 対応の速さ
連絡の速さも重要です。
すぐにやめたくて申し込んだのに、返事がずっと帰ってこなければ、会社に行き続けないとなりません。辞めようと決意した状態で仕事に向かうのは本当に苦しいですよね。
多くの退職代行サービスでは、申し込みの前に無料相談やお問い合わせを用意しています。
LINEですぐに対応してもらえるところもあるので、しっかり連絡をとってみて、レスポンスを確認してから申し込むのがおすすめです。
4. 口コミ
SNSなどを利用して、利用したい退職代行サービスのクチコミを確認しましょう。
公式サイトだと、当たり前ですが良い内容しか書かれていません。鵜呑みにするのは危険です。
Twitterやブログなどであれば、利用者のリアルな評価をチェックできます。気になる業者のクチコミを確認して、評価の良い退職代行業者を選ぶのがおすすめです。
交渉可能な退職代行を使って借り上げ社宅住みでも会社をやめよう
借り上げ社宅に住んでいても、会社を辞めることは可能です。ただし、同じ家に住み続けるのは難しく、退去に向けた準備が必要になるなど、特殊な部分もあります。
退去に関しては退職から一定の猶予を与えられていることが多いので、まずは社内規定を確認してみてください。猶予期間があったり、有給を消化できたりすれば、問題なく準備できます。
退職代行を使った場合でも、交渉可能な業者ならば、家の退去に関する会社との話し合いも請け負ってくれます。ぜひ運営元を確認して、丸ごと会社とのやりとりを依頼できる業者を選んでみてください。